- 日帰り
湯布院・日田へ母娘旅。原田マハ「星がひとつほしいとの祈り」
湯布院、日田(大分県)
予算:10,000円〜
・旅行する時期やタイミングにより変動いたします。旅行前にご自身でご確認ください。
・料金は1名あたりの参考価格で、宿泊施設は1泊2食付き週末料金を参考にしています。
・レンタカー料金およびガソリン代は含まれていません。
更新日:2023/05/12
今回は、原田マハ「星がひとつほしいとの祈り」収録の「夜明けまで」がテーマ。セネガルのNGOで働く主人公が、大女優だった母の遺言を果たすために大分・夜明駅から「小鹿田焼の里」を訪ねる物語です。母娘の絆を再認識する旅へ、ご一緒いたします。フィクションの彼岸を貴方に。
茶房 天井桟敷

茶房 天井桟敷

開店以来の王道メニュー「モン・ユフ」

近年人気の「カツサンド」(テイクアウトも可)

テラス席
由布院を由布院たらしめた亀の井別荘。その喫茶室は、江戸時代末期の造り酒屋を移築した建物。酒樽の底を活用した店奥の大テーブルが印象的。ハードウェアだけでなく、総支配人をはじめ、オペレーションする従業員たちのホスピタリティも超一流。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 今回の旅は、「町田そのこ編」で宿泊した「亀の井別荘」から始めます。スタートはカフェから。古民家という、機能として働き切った建物には、どこか生命の宿るような……気がしませんか? この茶房も、そんな甘美な夢想が許されるほど雰囲気の良い場所です
- ★ 昼間(茶房)の時間帯は、開業当時から王道メニューとなっている「モン・ユフ」のセットがマスト。山型のクリームチーズに生クリームをデコレートした、新雪の由布岳を食べちゃいましょう
- ★ ちなみに、亀の井別荘のご主人は中谷太郎氏。「町田そのこ編」の旅で前述した油屋熊八に管理を任された中谷巳次郎から、親子代々受け継ぎ四代目です。親子の絆を思う母娘旅のスタートとしては絶好の場所なのです
ゆふいん文学の森(碧雲荘)

ゆふいん文学の森(碧雲荘)

館内①

館内②

館内③

館内④
作家・太宰治の居住した建物。旧所在地は東京都杉並区天沼。解体寸前の文学遺産を救ったのは由布院だった。昭和10年に建てられた木造2階建で、和洋折衷様式の住居兼下宿(2階の5部屋が下宿)。太宰夫婦は、奥の8畳間に住んでいた。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ ここ「碧雲荘」には、太宰が戦前1936年11月から約7ヶ月間、暮らしていました。代表作「人間失格」の原型とされる小説「HUMAN LOST」などを執筆しています
- ★ 由布岳を望む丘に、宮大工の手を借りて移築された日本家屋は、間取りも方角も当時のままに再現されています。故きを温ねて新しきを知る、です
- ★ 太宰好きで芥川賞作家でもある、お笑い芸人の又吉直樹さんは、旧「碧雲荘」の玄関の前にあった石灯篭(灯籠)や庭の桜木の移築・保存に貢献されたそうです
- ★ 移築には「おやど二本の葦束」を経営する橋本律子さんが中心的役割を果たしました。こちらから徒歩10分ほどに立地する高級旅館の女将です。由布院は見どころが多すぎて困りますね♪

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 「ゆふいん文学の森」を散策した後は、昼食にしましょう。それも、ちょっとだけ豪華に
- ★ 太古の面影を残す、鎮守の森のような雑木林の中で、大分の地産地消に貢献します。大分は、かつて豊前と豊後に分かれていました。「豊」とは、古代、この地が「豊(とよ)の国」と呼ばれていたことから来ています。大分の、まさしく豊かな食材に舌鼓が止まらない……
- ★ 山家(やまが)料理とは、山里の我が家といった意味でしょう。じっちゃんの家に遊びに行く感覚で、普段は面と向かって話せない「家族とは」について語り合うのもいいかと。ランチはどれもおすすめですよ〜

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 国道210号線を日田へ向かって走りましょう。道中、天瀬町近辺に入ると、次々と三つの滝が現れます。このエリアは滝が多く、「三瀑、いや五瀑、何の何の六瀑あるぞ!」と談論風発。“楽して行ける秘境”でマイナスイオンを浴び、心も体もリフレッシュ
- ★ 道順は、「慈恩の滝(裏見の滝)」→「桜滝」→「観音の滝」となります。 ちなみに、最初に配置した画像は「桜滝」。滝の飛沫が桜の花びらのように見えることから名付けられたそうです
- ★ 「慈恩の滝」は、滝の裏を歩いて通れる“裏見の滝”。時計回りに回ると縁起が良いといわれています。濡れないようにね!
- ★ 「観音の滝」は、凸凹の滝壁が観音菩薩のように見えることから、そう呼ばれているそうです。ここだけ駐車場が整備されていないので気をつけてね!

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 小説に描かれた「小鹿田焼の里」を訪れる前に、こちらで勉強しておきましょう
- ★ 小鹿田焼は福岡の小石原(こいしわら)焼から分派し、以来300余年、独自のシステムを守りながら、その技術を継承してきました。独自のシステムとは、国の重要無形文化財になった要因の一つともいわれる「一子相伝」を守っているところです。一子相伝とは、学問・技芸などの奥義・秘法を自分の子の中の一人だけに伝えること。そうです、ここでも“親子”が出てくるのです
- ★ 小鹿田焼窯元の、この重要な部分が、小説ではどう描かれているか。……どうやら見逃されている、ばかりか……ちょ待てよ! 的な展開が……その謎解きについては、NPO法人文学旅行のnoteをぜひ
- ★ それまで埋もれた存在だった小鹿田焼の名を、日本全国にとどろかせただけでなく、世界からも注目されるものにしたのは、英国の陶芸家バーナード・リーチと、民芸運動の創始者・柳宗悦(むねよし)でした。彼らは、生活の中で使われてきた道具や雑器に鑑賞美とは異なる美しさを見いだし、美に対する新しい視点を確立しました。“実用性の中に美しさがある”という、その視点こそが「用の美」なのです

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 今回のハイライトです。当地に着くと、遠くのほうから「バタン、ドスン」という音が繰り返し聞こえてきます。そうです、唐臼(からうす)の音です。唐臼とは、川の流れを利用したテコの原理によって横木を動かし、山から採取した土を搗(つ)くことで、陶器に使う土をつくる道具のこと。一定のリズムで刻まれる唐臼の音は、日本の原風景を超えて未だ見ぬ桃源郷へと旅人をいざないます
- ★ 柳宗悦の興(おこ)した民芸運動は「用の美」を理論の中枢に据えており、その柳が絶賛したことで分かるように、近世から300年以上、日常で使うための陶器を一子相伝でつくり続けてきました。もはや日常そのものが奇跡なのかもしれません。江戸時代中期に開窯した、日本の皿山の風景を堪能してください

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 小鹿田焼の里を散策したら、空腹か否かはひとまずおいて、こちらでお蕎麦をいただきましょう。こんな素敵な雰囲気で田舎蕎麦を味わえる機会はそう滅多にはありません。使われている器は、もちろんすべて小鹿田焼!
- ★ 分かるんですよね、こういう場所に出店する気持ちが。素敵だなぁ〜。分かるなぁ〜。だけど、人里離れた皿山で採算が取れるのかなぁ、と心配になります……いや、いや、そんな俗世の煩悩より、人生には大切なものがある──本当にそう思わせるお蕎麦なんです

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 旅の終着は、物語のタイトル通り「夜明けまで」です
- ★ 2023年夏、3番線を走っていた日田彦山線は、新たにBRTひこぼしライン(正式名称:日田彦山線BRT=バス高速輸送システム)として生まれ変わり、地域の路線は守られました。明けない夜はないのです
- ★ 駅前に設置された「夜明の鐘」は、閉校した夜明小学校のチャイムとして使われていたものです。オブジェは、日田杉を使用し、特産の椎茸をイメージしてデザインされています
- ★ この旅で物語のように親子の絆を確かめることはできたでしょうか? 思いは待合室に置かれてあるノートにぜひ
詳細は各施設にお問い合わせください。
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