1泊2日のリフレッシュトリップ

記憶をたどる、そして「今」を旅する 未来へ進むまち 福島県浪江町へ

2011年3月11日の東日本大震災以降、
浪江町に住む人々の暮らしは一変しました。
それでも力強く、復興への道を歩み続けて約13年。
今の浪江町はあたたかな観光スポットで溢れています。
浪江町の過去を伝え続ける施設から、ニューオープンの場所まで
羽田美智子さんがゆっくりと旅しました。

撮影/山田大輔 スタイリング/坂本久仁子
ヘアメイク/木下 優 文/藤村実里(ホワイトノート)

  • 1st DAY
  • 2nd DAY

まちの記憶をたどりながら復興について考える旅をする

1日目スケジュール
羽田美智子さんがナビゲート 福島県浪江町
1日目はまず、浪江町の過去を知ることから。
震災当時の話を聞いて、一つひとつを目に焼き付けて、
“ここで何があったのか”
記憶をたどることで、復興するまちの姿に心動かされます。
浪江駅から出発

徒歩 約15

桜スポットとしても知られる請戸川リバーラインを歩く

最初に訪れたのは請戸川の土手沿いに続く遊歩道。「請戸川リバーライン」は「ふくしまの遊歩道50選」にも選ばれている観光名所です。請戸川はかつて川に竹や木を使ったすのこを張り巡らせて魚を捕らえるやな場があり、鮭のやな漁が盛んだったことから、まちの漁師に親しまれる場所でした。春には約1.5kmに渡り120本のソメイヨシノが咲き誇り、冬は白鳥が飛来するなど四季折々の魅力があります。今も昔も変わらずそこにあるまちの風景に癒されつつ、散策を楽しみましょう。

請戸川リバーライン
住所/浪江町権現堂下川原付近
電話/0240-34-0247(浪江町役場産業振興課)

請戸川リバーライン
桜の見頃は例年3月下旬〜4月中旬
請戸川リバーライン
請戸川リバーライン
川沿いに集まる白鳥にも癒される

徒歩 約5

福島の豊かな海の幸“常磐もの”に感動!味感さとうで海鮮を楽しむ

味感さとう
その日の旬な刺身と揚げたての天ぷらを堪能
味感さとう
「懐かしくて、優しい味だね」とじっくり料理を味わう羽田さん
味感さとう
ふぐ割烹は近海で獲れるふぐを刺身、天ぷら、白子焼きに。創作割烹は5,500円~、ふぐ割烹は時価

ランチは、新鮮な海の幸を提供する地元でも人気が高い食事処へ。相双(そうそう)地域では数少ない創作割烹料理を提供する「味感さとう」は、親子で営んでいるお店です。 “常磐もの”と呼ばれる魚を中心に、季節の旬を味わえる料理が評判。昼は刺身に天ぷら、茶碗蒸しなどボリューム満点のメニューからご当地グルメ・なみえ焼そばまで、ここならではのグルメが勢揃い。料理を目の前にした羽田さんも、とびっきりの笑顔! 夜は懐石のコース料理とともに、地元の日本酒などお酒をペアリング。浪江町でしか食べられない味わいに舌鼓を打ちます。

味感さとう
住所/浪江町権現堂下川原70-3
電話/0240-35-5450
時間/11:00〜13:00(LO12:30)、17:00〜21:00※夜は完全予約制
定休日/月曜日

味感さとう
味感さとう

車 約10

“奇跡の学校”と呼ばれる請戸小学校で震災前とその後の歩みを知る

請戸小学校
「今にも子どもたちの声が聞こえてきそう」と、かつて教室だった場所を前にして思いを馳せる羽田さん

続いてやってきたのは大津波の被害を受けた震災遺構。当時大きな被害を受けながらも職員・児童の全員が生き残ったというエピソードにより、“奇跡の学校”として知られています。津波被害の甚大さをまざまざと残す校内の状況や、当時の様子を知ることができる展示は、「悲劇だけで終わらせない」というメッセージを込めているのだそう。震災当時のまま時が止まった校内を巡る時間は、羽田さんにとって自然の脅威と人と人の絆について改めて考えるきっかけになったようです。

浪江町立請戸小学校
住所/浪江町請戸持平56
電話/0240-23-7041
時間/9:30〜16:30(最終受付16:00)
定休日/火曜日、年末年始
料金/一般300円、高校生200円、小・中学生100円、未就学児無料

請戸小学校
校内の時計をコントロールしていた制御盤に波が到達した時刻のまま止まった時計
請戸小学校
請戸小学校

車 約5

生まれ変わりつつあるまちを大平山霊園から眺める

大平山霊園
大平山霊園
右奥に見える建物は請戸小学校。歩くと約20分かかる
大平山霊園
言葉もなく静かにそっと手を合わせる羽田さん

請戸小学校から歩いて20分ほどのところに位置する「大平山霊園」は震災当時、請戸小学校に通っていた児童と職員が、大津波から逃れるために歩いて目指した場所。復興が進むまちを眺めながら、思いを馳せ、静かな時間を過ごすことができます。羽田さんはここから請戸小学校を眺め、「こんなに遠いんだ」と驚きを隠せない様子。震災の慰霊碑を前にして、静かに手を合わせました。

大平山霊園
住所/浪江町請戸北舘ノ内及び南舘ノ内
電話/0240-34-0244(浪江町役場建設課)

大平山霊園

車 約5

大浴場・サウナでゆったり 福島いこいの村なみえに宿泊

福島いこいの村なみえ

宿泊は、まちの自然を存分に感じられるスポットへ。緑豊かな自然に囲まれた小高い丘に建つ施設にはキッチン付きコテージと本館2つの宿泊棟のほか、大浴場、サウナ、レストランや多目的ルームが備えられています。本館の裏手には80種を超える樹木が生い茂る遊歩道も。季節を感じながら深呼吸をすると心も身体もリラックスできます。敷地内にはバーベキューを楽しめる中庭もあり、大人数の旅にもぴったりです。大浴場は日帰り入浴も可能。旅の休憩スポットとして足を運んでみてください。

福島いこいの村なみえ
住所/浪江町高瀬丈六10
電話/0240-34-6161
時間/日帰り入浴10:00〜22:00(最終受付21:00)
料金/本館1泊2食付き9,000円〜(2名1室利用時の1名料金)、コテージ1泊2食付き9,000円〜(2名1室利用時の1名料金)、日帰り入浴大人500円、4歳〜小学生300円

福島いこいの村なみえ
福島いこいの村なみえ
コテージはかつて仮設住宅として使用されていたものを活用
福島いこいの村なみえ
福島いこいの村なみえ
町内をスマートに移動できる

なみえスマートモビリティ

町内の移動手段として新たに注目されているのが、「スマートモビリティ」。観光などでスポットを巡る際に活用できる巡回集合ミニバスです。町内のほぼ全域を運行しており、中心部の代表施設7カ所には「デジタル停留所」も設置。配車リクエスト端末から、あちこちへ移動が可能です。配車はスマートフォンアプリからもできるので、思うようにタクシーが捕まえられない時や、お酒を楽しんだ後などに活用してみるのもおすすめ。リーズナブルな料金で浪江の町をスマートに移動しましょう!

電話/0240-23-5552(電話予約可能)
運行時間/月〜水曜日8:00〜19:30、木・金曜日8:00〜21:30、土曜日10:30〜21:30、祝日10:30〜19:30
運休/日曜日
料金/大人200~800円

なみえスマートモビリティ

スマートモビリティ 約5

居酒屋こんどこそ
刺身盛り合わせ(2,700円~)
居酒屋こんどこそ
納豆焼き(400円)

地元民に愛される居酒屋こんどこそで浪江町の夜を満喫

宿泊施設から「なみえスマートモビリティ」を配車して向かったのは、地元の人気店。福島の郷土料理をはじめ、海の幸や串物、その日のおすすめなど多彩なメニューが揃います。食材やお酒はなるべく福島県産のものを使用するのが店主のこだわり。近海で獲れた魚と地酒を味わいつつ、地元民との交流を楽しめます。店内は一人でも立ち寄れるカウンター席からテーブル、座敷まで幅広く用意されていて、さまざまなシーンでの利用が可能。浪江の夜をおいしい料理とお酒で締めくくります。

居酒屋こんどこそ
住所/浪江町権現堂新町8-3
電話/0240-34-4288
時間/11:00〜14:00、17:30〜21:00
定休日/日・月曜日

居酒屋こんどこそ
居酒屋こんどこそ