大自然に恵まれた岩手県洋野町には、美しい海や雄大な山が育んだ名物がたくさん。
全国的に有名なウニのほかにも、絶品グルメが目白押しです。
昔ながらの手しごとから生まれた工芸品は、お土産に喜ばれること間違いなしです。
洋野町を訪れたら必ずチェックしてほしい6つの名産品をご紹介します。


洋野町を代表する名産品が、本州随一の水揚げ量を誇るキタムラサキウニ。大ぶりの身と濃厚な味わいが特徴です。港の近くにある「(一社)岩手県栽培漁業協会種市事業所」で約1年かけて育てた稚ウニを、沖合の漁場に毎年放流。大きくなったウニは、昆布やわかめを生育させた「ウニ増殖溝」に移します。天然の海藻だけを食べて育つため、品質の安定したおいしいウニになるのだそう。漁期は例年5~8月上旬なので、生ウニを食べるなら夏。焼ウニなどの加工品は一年中楽しめます。

洋野町では120年以上にわたり、“南部もぐり”と呼ばれる伝統漁法で天然ホヤ漁が行われています。“南部もぐり”はヘルメット式の潜水技術のことで、陸とつながったホースから空気を送りながら、水中作業を行う方法です。岩手県立種市高校には海洋開発科があり、潜水技術の伝統を後世につないでいます。専用の実習船や本格的な実習プールがあり、学生たちが日々潜水技術を学んでいます。種市高校はNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台になったことでも話題になりました。
明治31(1898)年に、洋野町の沖で座礁した貨客船を解体・引き上げするため、房州(千葉)から4人の潜水夫が訪れました。この房州もぐりの組頭・三村小太郎が、洋野町の住民のひとりであった磯崎定吉にヘルメット式の潜水技術を伝授したことがきっかけで、それ以来ホヤの漁に活用されてきたといわれています。



名産品はウニだけではありません。ホヤは “南部もぐり”でダイバーが手摘みします。天然の生ホヤは肉厚で、独特の苦味が少なく食べやすいのが魅力です。旬の5~9月上旬にお取り寄せするのもおすすめ。昆布やわかめなどの海藻類は、いつでも使える加工品が便利です。三陸海岸の伝統料理“いちご煮”はウニとアワビの潮汁。缶詰めのいちご煮は、炊き込みご飯や茶碗蒸しなどの料理の出汁としても使えます。
山間部にある「おおのミルク工房」では生乳本来のコクや旨味を生かした乳製品作りを行っています。“ゆめ牛乳”は、85℃で20分間ゆっくりと時間をかけて殺菌する保持式殺菌を行い、新鮮なままパッケージしています。“ゆめヨーグルト”は酸味が少なく自然な甘みが特徴。「第3回全国ヨーグルトサミットinいわて」で行われたヨーグル党総選挙「カ党」(加糖)の部でグランプリを受賞した逸品です。



大野(旧大野村)の森から切り出される、高樹齢のアカマツやトチの木を材料として作られる木工品。その歴史は昭和55(1980)年に始まった「一人一芸運動」からスタートしました。出稼ぎに頼らない生活を手に入れるために、村民が職人としての身につけた技術が、現在にも伝えられています。半割(はんわり)方式と呼ばれる方法で切り出された木材は、美しい木目と高度な耐久性が特徴。食器洗い乾燥機で洗うこともでき、日常使いの器にぴったりです。

町内の種市にはニチレイフレッシュファームの養鶏農場があり、3万6000坪もの広大な敷地で純国産鶏種“純和鶏”を養鶏しています。“純和鶏”は純国産鶏種を交配して生まれた赤鶏で、丹精込めて育てられます。ほどよい弾力で旨味の強いもも肉、ジューシーでやわらかいむね肉など、国産種ならではの味わいが魅力。国内外の品評会で受賞するほど高い品質を誇ります。きめ細かな赤身とさらりとした脂身が特徴の“八幡平ポークあい”もおすすめです。
洋野町をはじめとする岩手県北部では、広葉樹林を生かした木炭生産が盛んです。洋野町で作られる木炭は、独自の構造を持つ岩手窯を使い約800℃の高温でじっくりと製炭される“岩手木炭”。不純物が少ない高品質な黒炭として知られています。不純物が少ない炭は着火しやすく燃焼時のにおいがおさえられるほか、燃焼後の灰が少ないという利点も。キャンプやバーベキューなど、アウトドアでも大活躍しそう。
