【2024】地域によって全く違う! 旅色LIKESメンバーに聞いた我が家のお雑煮
明けましておめでとうございます。三が日にはおせちのほかに、お雑煮を食べた方も多いのではないでしょうか。実は地域ごとに特色が出るお雑煮、旅好きが集まる有料ファンコミュニティ「旅色LIKES(ライクス)」では、全国にメンバーがいるので、その食卓にはバリエーション豊かなお雑煮があるはず! ということで、お雑煮の写真をLIKESメンバーから集めてみました。地域や家庭によって違う個性豊かなお雑煮を紹介します。
目次
これが“うちの味”! ご当地お雑煮自慢
毎年お正月にいただくお雑煮、実は地域によって違いがあるのはご存知でしょうか?
例えば、東京都でよく作られているのは、小松菜などの青菜や鶏を入れて、醤油で仕立てたすまし汁を角餅にかけていただくもの。山陰地方では別の鍋で煮た丸餅を、甘い小豆汁に入れた「小豆雑煮」といったぜんざいに近いものが食されていたり、福岡・博多では具にブリが入っていたりなど様々です。細かな違いまでみれば、100種以上あるとされ、自分が普段食べるのはどのエリアに近いのか、見比べてみるだけでも楽しめそうです。
旅色LIKESメンバーによる“我が家の雑煮”
全国にいる旅色LIKESメンバーは、今年どんなお雑煮を食べたのでしょうか。実際に食べたという投稿写真などからさっそく見比べてみましょう。
[1杯目]トシさん/東京都在住
1杯目は、親子旅の連載をもつ旅色LIKESライターのトシさん。奥さんの地元・大阪に帰省し、箕面(みのお)の温泉施設でいただいたお雑煮だそう。大阪のみならず関西地方では、昔から丸餅と白味噌を用いた白味噌雑煮が広く親しまれています。具材となる大根や人参は輪切りにし、丸い食材を用いるのは、『角が立たず、円満に過ごせるように』という縁起を担いでいるのだとか。関東ではあまり馴染みがない白味噌は、京都が発祥だといわれており、平安時代からすでにつくられていたとされます。麦味噌や豆味噌など、貯蔵を目的に発達したほかの味噌に比べ、発酵期間が1週間から10日と短く、塩も少なめでつくるため、まろやかで甘みのある仕上がりに。
◆トシさん
「大阪では白味噌仕立てと醤油仕立てのお雑煮、両方が出てきます。元旦は白味噌仕立て、2日目は醤油仕立てのお雑煮で『飽きない(商い)ように』と、商人の街らしい理由です。今回は箕面の温泉施設の朝食バイキングで、2種類まとめていただきました」
[2杯目]わらくさん/岩手県在住
2杯目は、岩手県沿岸部ご出身で現在は盛岡市にお住まいのわらくさん。お雑煮は焼いた角餅に醤油味のすまし汁に大根、人参、ゴボウ、きのこ類、鶏肉が入り、香りに三つ葉を乗せます。わらくさんがお住いの地域より少し北、三陸沿岸の宮古地区では「くるみ雑煮」がメジャーだそう。くるみ雑煮は、地元でとれる鬼クルミで作ったクルミだれに、食べる時にお餅を付けます。岩手はクルミが食生活に根付いていて、お雑煮だけではなくクルミ餅にしても食べるのだとか。
◆わらくさん
「お餅に付けるたれの候補として、みたらしやゴマがある感覚でクルミだれがあります。殻を割って取り出したクルミをすり鉢でゴリゴリ擦って、砂糖と醤油(塩の家もあり)で味を付けます。味付けの前に何故か渋茶を入れて薄めていくんです。渋茶を入れるとクルミの渋みが取れると祖母が言っていました。年末に家でお餅つきをすると、子どもたちはクルミすりの係でした」
[3杯目]神奈月みやびさん/奈良県在住
3杯目は、生まれも育ちも奈良で、奈良をこよなく愛する神奈月みやびさんが今年いただいたお雑煮。「大和の雑煮」と呼ばれ、大阪同様丸餅と輪切りにした野菜に、豆腐が加わります。野菜は雑煮大根、金時人参、里芋(小芋)で、具はすべて紅白のものしか入らないそう。特に雑煮大根は年末年始にしか出回らない細い大根で、すべての物を丸く切るために欠かせないのだとか。
◆神奈月みやびさん
「大和の雑煮は基本味噌仕立てですが、使う味噌は地方によって異なります。山間地に近い私の出身地・五條市では煮干しなどでとった少し濃い目の出汁に、田舎味噌を使用していました。餅も焼いて入れます。ならまち(奈良市の中心市街地南東部に位置する、歴史的町並みを有する地域)出身の義母のところでは、甘めの白味噌。焼かずにトロトロになった餅にきなこをつけるのが伝統的な奈良の食べ方だそうです」
[4杯目]にゃおさん/石川県在住
4杯目は、石川県金沢市にお住いのにゃおさん。金箔など華やかなイメージのあるまちで食べられている雑煮は、意外やシンプル。醤油ベースの昆布出汁(するめや鰹節などを使うところも)に、具はお餅のみ。飾りに鰹節や三つ葉、柚子の皮が乗せて完成です。汁と一緒に煮込んだ餅と、お出汁をじっくり味わう一杯です。
ちなみに石川県内でも、地域ごとに特色があるそうで、金沢のお隣・野々市では細ネギを切らずに長いまま入れる(長い=長寿とかけて願う)そう。
◆にゃおさん
「我が家ではピンク色に着色された丸餅と白の丸餅の2つに三つ葉をのせて、かつおと昆布出汁のすまし汁をかけただけの雑煮でした」
[5杯目]ちあきさん/京都府在住
5杯目は、京都府京都市にお住いのちあきさん。京都では白味噌仕立てで丸餅と頭芋(かしらいも)、大根、そしてブランド京野菜の「金時人参」が一般的。頭芋は里芋の親芋のことですが、なかでも京都では、京野菜の一つでありサトイモ科に属する「海老芋」の頭芋を用いるそう。子孫繁栄・立身出世の願いが込められています。餅は焼くこともありますが、白味噌の風味を邪魔しないように、ゆで餅にすることも多いようです。
◆ちあきさん
「うちは白味噌丸餅です。そして、なぜか家長のお椀だけに大きい頭芋が入っています」。
頭芋は家長がもっとも大きい一つを、母親や子どもたちがそれぞれ控えめなサイズを食すため、年末年始のスーパーには頭芋が大中小と店頭に並ぶのだとか。
<番外編>旅色編集部の“うちの味”
[ おかわり1杯目 ]ハリマ家のお雑煮
大阪出身の旅色編集長・ハリマは、2種類の雑煮写真を投稿。一つは大阪ならではの白味噌仕立て、もう一つは、奥さんの地元・広島で食されるという豪華な穴子入り! 広島のお雑煮は、煮干しや昆布、かつおだしのすまし汁に、牡蠣、ぶり、野菜を入れます。地域や家庭により具材は異なり、はまぐり、焼き穴子、ふぐなどを入れることも。穴子は身の長さが「永続」に通じるとされています。
「元旦は大阪の実家で白味噌仕立て、丸餅入りのものを、3日は自宅で奥さんが作る広島風の焼穴子入りすまし汁に丸餅入りのものを食べました。息子は里芋が苦手で、いずれも僕の椀にそっとよけてました」
[ おかわり2杯目 ]オオクマ家のお雑煮
最後に、僭越ながらオオクマが今年食べた雑煮を……。
義実家の北海道では、角餅、すまし汁仕立てでした。北海道では人参やゴボウなど野菜がたっぷり入るスタイルで、私の出身地である関東の雑煮と近い印象です(毎回おせちも豪華でありがたい限り…!)。
地域の特産品が入っていたり、縁起をかついで具を選んでいたりと、全国で食べられているお雑煮は地域の特色が色濃く出ていました。各エリアの歴史に沿ったユニークなお雑煮に出会ったら、ぜひ味わってみてくださいね!