文化財級の香木や文献の見学も可能 悠久の時を経て受け継がれる雅やかな香の世界を気軽に堪能
お香の歴史は古く、日本書紀に記述があるほど。平安時代になるとお香の香りを楽しむ、「源氏香」をはじめ調香した香りを当てる遊び・組香が貴族の間に浸透。華道や茶道と並ぶ香道としても確立された。そんな伝統文化でもあるお香を世界中に広め、未来に継承することがお店の理念。「ただ、敷居が高くならないように手頃な価格で買えるお香、お香の手作り体験を揃えています」というのは名古屋本店の林祐子店長。お香は伽羅(きゃら)、沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)という香木の粉末と、桂皮(けいひ)、丁字(ちょうじ)といった漢方や料理などで用いられる植物の粉末を合わせたもの。調香によって香りは無限大でセレクトに悩むが、“お香コンシェルジュ”として知識豊富な林店長が好みや目的に応じて提案してくれるので安心だ。数珠は希少な琥珀をはじめ、天然の宝石、貴石を厳選。僧侶用の数珠から資産になるような高額な数珠も扱うが、「毎日着けられる数珠ブレスレットやはじめての数珠にぴったりの手頃な数珠だけでなく、生涯使いたい、子どもや孫に受け継ぎたいので良いものを、というお客様も多いです」と、“数珠コンシェルジュ”でもある林店長が最適な一本を選りすぐってくれる。「まずはお店でお香を試してください。香りに癒やされ、使ってみたくなるはずです」との言葉通り、あれこれ買い求める観光客、気分や目的、季節に合うお香を日々買いに訪れる地元客も多い。億は下らないという香木、代々伝わる香道の文献や道具などを見せてもらえるのも魅力。平安貴族のようにお香を嗜み、日常に取り入れるために、名古屋を訪れたらぜひお店に立ち寄りたい。