ビールがもっと好きになる! 出会い溢れる石川県・金沢のほろ酔い旅
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こんにちは! この旅……おっと。この度、「ビール旅」を皆さんに発信させていただくことになりました、“ビールおねえさん”こと古賀麻里沙です。よろしくお願いします!
私、ビールが大好きでして、合格率が5%程度の「日本ビール検定1級」を所持しています。4年前からビールの勉強を始めたことをきっかけにクラフトビールにどっぷりとハマりました。これまでに飲んだビールは1000銘柄以上! 自らオリジナルビールを開発したり、ビールを求めて旅に出たりすることもしばしば。その土地ならではのビールとフードをその場所で楽しむ……これこそがビール旅の醍醐味かなと。ビール愛が止まらないので、これから“ビールおねえさん”ならではの視点で、ビールの世界がもっともっと広がる、ビール×旅という新しい旅スタイルを発信していければと思っています。
記念すべき第一回目のビール旅は、石川県・金沢
駅に着くと立派な「鼓門」がお出迎えしてくれました。さぁ、楽しい旅の始まりです。 「近江町市場」、「兼六園」、「金沢21世紀美術館」……と、観光スポットが盛り沢山の金沢は、実はクラフトビアバーも充実しているところなんです。市場を歩いていると、クラフトビールらしきものを手にしている人がチラホラ。
「百萬商店」という土産店の店頭にスタンドビアバーがありました! 早速おじゃまして、5タップ並ぶ中から「輝きウィート7」というIPAスタイルのビールを注文。フルーティーな香りにたっぷりと感じられるホップのジューシーさ、そしてガツンとくる苦みが特長的です。アルコール度数は高めの7%なのですが、飲みやすくてグイグイいけちゃいます。
おつまみに選んだのは、肉厚で旨味たっぷりのホタテ串。ぷりぷり食感が最高すぎる……。甘辛醤油だれがかかったホタテは食べごたえがあります。ホタテもビールも濃い旨味が引き立って、バッチリのペアリング。今の季節だと旬の香箱ガニなんかもいいですね。香箱ガニって、北陸地方で獲れるメスのズワイガニのことなのですが、旬の時期が2ヶ月ほどしかないのでとっても貴重。見つけたら絶対に食べたいです。
魚介類のメニューが楽しみたいときは、香り高いエールタイプのビールと合わせるのがおすすめですよ。魚介の独特な匂いを和らげてくれるんです。
ビール豆知識①
ここで、ビールの豆知識~! このビール旅連載では、こういった豆知識もちょいちょい挟んでいこうと思っています。ビールの知識を身に着けて、もっとおいしく味わってくださいね。
Q. 「タップ」って、なに?
A. ずばり、ビールサーバーの注ぎ口のことです。5タップあるお店なら、5種類の樽生ビールが楽しめる、ということなんです。
Q. 「IPA」って、なに?
A. ビールのスタイルのひとつで、インディア・ペール・エールの略。昔、イギリスからインドにビールを運ぶ際に、距離が遠い上に赤道を二度も通らなければならないから劣化してしまう……というのが問題でした。そこで! 防腐作用のあるホップを大量に使い、誕生したのが「IPA(アイピーエー)」。ホップによる香りと苦みの強いIPAは世界中で人気のビアスタイルになりました。
小腹を満たしたら散策タイム
金沢の観光スポットはほとんどバスで移動が叶うので、私も今回、乗り放題の1日フリーチケットをgetしました。まず訪れたのは「兼六園」。日本最古の噴水に珍しい造りの橋、豊かな緑の木々に囲まれながら勢いよく流れる滝……見応え抜群!
しばらく観光して、歩き疲れたのでお団子を食べながらちょっと休憩しました。
自然と建造物が見事に融合した素敵な場所でした。
次に訪れたのは「金沢21世紀美術館」。ここでは、プールの底にいるような不思議体験が出来るほか、部屋中を埋め尽くすようにずらりと並んだ多くの作品に触れることができます。
私が気になったのは、頭の大きな少年のような像。
存在感がすごくて、ひと際目立っていましたよ。美術品を見るだけでなく実際に作品に触れたり、はたまた作品の中に入り込んだり、全身でアートを満喫することができました。近代アートに触れてすっかり感性が研ぎ澄まされたところで、そろそろ次のビールを求めて移動です!
金沢初の地ビールバー「香林坊ジビルバ」
ということで夜は地元のビアバーへ。金沢で最初にできたというクラフトビール専門店「香林坊ジビルバ」に行きました。こちらは、国内外の生ビールが常時8タップ繋がっていて、フードも充実しています。早速注文……とメニューを開いてみると、何やら変わったネーミングのものを発見。「元氣玉」というビールを頼んでみました。富山の「城端麦酒」というクラフトビール会社と、ジビルバの共同開発なんだそうです。パンチの強い名前ですが、アルコール度数は4.5%と控えめ。セゾンビールというスタイルのもので、スパイシーな風味がクセになる! 後味はすっきりとしていて飲みやすい。ビールのお供には燻製卵をチョイスしました。
食欲をそそる香ばしい燻製香、綺麗に色付いた白身から、とろ~りとろけ出す半熟の濃厚な黄味! ビールが進むスモーキーな味わいです。たまたまカウンターの隣に座っていた方もビール好きな方で、仲良くお喋りをしていたのですが……なんとその方、21世紀美術館で改修工事をするため東京から出張中とのこと! 「先ほど行ってきたんですよ!」と、お伝えすると、その話題でひと盛り上がり。ビール話に花を咲かせていると、10人ほどの団体客がやってきて急に店内が賑やかになりました。店長のお父さんが職場の方たちを連れて飲みに来たみたいなのですが、「初めて息子の店に来たんだけど、ビールも料理も美味しいし、頑張っているのが伝わるね」と、ビール片手に嬉しそうな笑顔! 貴重な瞬間に立ち会えました。こんな瞬間との出会いも、ビール旅の楽しみのひとつなんです。
◆クラフトビール食堂 香林坊ジビルバ
住所:石川県金沢市片町2-7-3
電話番号:076-231-1239
営業時間:18:00~24:00※土・日・祝日は15:00~24:00
ビール豆知識② 「セゾン」って、どんなビール?
「セゾン」とはベルギー発祥のビアスタイルで、“シーズン”という意味なんです。夏の農作業の合間に喉の渇きを潤すため、農閑期に仕込んだのが始まりといわれています。フルーティーでスパイシーな風味が特長のものが多いですが、特にスタイルの決まりはないのでさまざまなタイプのものがあります。さっぱりとした飲み口なので、色々な料理と合いますよ。
せっかく金沢に来たのなら、「金沢おでん」と一緒に楽しむのもおすすめです。魚介だしのさっぱりとしたスープと、素材の味がしっかりと感じられてとっても美味しいですよ。香箱ガニの身が甲羅にぎっしり詰まった「カニ面」も絶品です! だしをたっぷりと吸い込んでいて、ビールに合うんですよね~。あとは、ガスエビもいいなぁ。足が速いから流通が難しくて、ほとんど地元で消費されるという“幻のエビ”です。弾けるほどにプリップリな食感、濃厚でまったりとした甘い味わい……プチプチと口の中で踊り出す青い卵もまた美味しいし、ビールがグイグイ進みます。
家に帰ってからも旅の余韻に浸ってビールを楽しむ
旅といったら、お土産! もちろんしっかりゲットしました。金沢駅限定のクラフトビール。ビールは通常“二条大麦”を使いますが、これは麦茶によく使 われる“六条大麦”をブレンドしためずらしいビールです。石川県産の大麦を使用しているそう。 グラスに注ぐと麦の香ばしい香りが広がり、コクをたっぷりと感じられる濃い味わい。苦味もしっかりとしていて、飲みごたえのある一杯です。 ペアリングに選んだのは、金沢カレー。こちらも金沢駅で手に入れました。忠実に再現すべく……トンカツどーーんっ! キャベツもりもりっ! 真似してトッピングしてみたら、ものすごくボリューミーになりました。どろっと濃厚なカレーはコク深くてスパイシー。付属の金箔をパラパラとかけて贅沢な仕上がりに。コク深いビールと合わせることで、よりどっしりとした味わいが楽しめます。
思わぬ出会いもある石川県・金沢のビール旅にゼヒ!
旅先はもちろん、家に帰ってからも美味しいビールとフードに舌鼓。ビールがよりおいしく感じられる観光スポットも回って大満足。でも、まだまだ食べたいものも行きたいところも、飲んでみたいビールも試してみたいペアリングもありすぎるんです。妄想は膨らむばかり……このビール旅でどんどんご紹介していくので楽しみにしていてくださいね!
初めてのビール、そしてビール好きな人との出会い。金沢のクラフトビール旅はたくさんの出会いに溢れた旅になりました。次はどの季節に行こうかなぁ♪