西表島1泊2日、秘密基地みたいなジャングル島を大満喫

沖縄県

2019.10.08

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西表島1泊2日、秘密基地みたいなジャングル島を大満喫

目次

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西表島のエキゾチックな自然の情景を動画でお届け

西表島へは石垣島から船でアクセス! 2つの港を活用して

散策スポットはゆるゆる探す

マングローブの雄大さ美しさにうっとり。同時に底なし沼にはまって……

島と自分の心の距離が縮まる瞬間

旅人を最大限大切にしてくれる、昭和レトロなお安い宿

宇宙の一大イベントかも。西表島の夕焼け

感覚が研ぎ澄まされる、闇のマングローブ・カヌー

日の出前から、空はずーっとドラマチック

定期船で川を上って、ジャングルの真っ只中に立つ

西表島といえば、ジャングルにマングローブ。雄大で強靭、深い自然がギューっと詰まっています。こんな冒険島が日本にあるなんてね。しかも石垣島から船で近いから、ちょろっとお邪魔して、ドライブしてあちこち散策して、気軽にワイルドの一端を感じることもできちゃいます。今回は、1泊2日のドライブ旅行で出合った西表島のリズムをお届けしようと思います。

西表島のエキゾチックな自然の情景を動画でお届け

何はともあれ、まずは動画をどうぞ!

BGM:MUSMUS

海からマングローブを超えてジャングルの中、ピナイサーラの滝まで飛んでいきました。落差54メートル、沖縄県で一番落差が大きい滝です。

西表島へは石垣島から船でアクセス! 2つの港を活用して

西表島には定期船のある港が2つあります。石垣島により近く、南東にあるのが大原港で、もう少し奥まった北西に位置するのが上原港。まぁ、奥まったという表現をしたところで、西表島そのものがジャングルまみれの秘境冒険基地みたいな島ですけどね。道だってメインは海沿いの1本で、島の約半周をカバーしているのみ、島一周はできません。

どちらの港を使うかは、行き先がバッチリ決まっているなら、それに合わせてください。レンタカーはどちらでも借りられます。島の全体像をドライブで感じたい、広く自然を覗きたい、という種族の方は大原港から入って北上するのもいいでしょう。今回わたしはこのやり方であちこち立ち寄り、上原港乗り捨てにしました。

散策スポットはゆるゆる探す

さて、西表島に着いたら、上原方面へ向けて走り始めます。マングローブの川も、分厚いジャングルも、すごい海も、とことんあります、ずーっとそれらに囲まれています。どこで停まっても散策・撮影は楽しいからご安心を。なので、半分は思いつきに、もう半分はGoogleマップを航空写真モードにした地図に頼って、緑や地形の様子に検討をつけて進むのがおすすめです。

マングローブの雄大さ美しさにうっとり。同時に底なし沼にはまって……

さっそく撮りたくなったのは前良川の河口。マングローブが広がっていました。このときは干潮。潮がばっちり引いて川底の土がむき出し、だだっ広い河口を歩けるのがうれしいなーと思ったのです、が……。

あらら(笑)。土の足を絡め取る力は恐怖でした、まさに底なし沼! どろどろでベトベトで重みがあって沈み込むー。足がぜんぜん抜けません! これはマングローブに堆積する腐植土ですが、わたしの足も取り込んで分解するつもりでしょうか。

なんとか抜け出せたのは、ひとえに「ギョサン(漁業サンダル)」を履いていたからでしょう。ソールが長靴状になっていて滑らないばかりか、鼻緒とソールが一体になっているので切れないんですよ、天才! もし通常の形のビーチサンダルを履いていたら、すぐに鼻緒が切れて身動きとれなくなっていたと思います。やっぱり島にはギョサンだなー。石垣島の離島ターミナル周辺の店や、ウェブなどで購入できますのでぜひ。

こちらは干立集落の近くにある与那田川河口のマングローブです。潮の高さがちょうどよく、うっすら水が張っていました。水面がピタッと止まって鏡のよう! 空がバッチリ映り込み、空から木々が、いや、ブロッコリーが生えているみたいでしょう。

こちら左がヒナイ川、右の西田川の河口のマングローブ地帯をジャングルの上から見た情景です。河口を横切る道は船浦海中道路。雄大で途方もなくて、スーッとします。googleマップで川名を打ち込めばどれも場所を検索できるので、確認してくださいね。

島と自分の心の距離が縮まる瞬間

西表島はまた一段と海がキレイで! ここは船浦漁港の防波堤の先っぽ。海の真ん中に座って落ち着いてるこの感じ、たまりません。

ところで、長ーい防波堤を歩き始めたとき、その先に二人の釣り人が見えたんです。青年かな、少年かな。

「こんにちは!」

滑舌のいい高めの声が飛んで来て少年と知ります。そしてシルエットが正しくぺこり。あんな遠くから、そんなお行儀よく。「こんにちは」と返し近づいていくと、またペコリ。恥ずかしさが顔中に溢れた表情がかわいすぎます。ああこれこそ島、正しい田舎のご挨拶、ほっこりするなー。西表島との心の距離が、ぐんと近づいた瞬間でした。

旅人を最大限大切にしてくれる、昭和レトロなお安い宿

このときのお宿は上原港近くの「カンピラ荘」。いろんな宿があって、それぞれのよさがありますが、ここはまた最高でした。海の近くであっても目の前ではないし、すごく清潔だけど建物自体は昭和レトロな古いものです。でもとにかく、ソフト面が最高でして。

お宿を長年切り盛りする方々の根本的な柔軟さと、ご本人たちの西表島に対する深い愛と、その西表島の滞在を気に入ってほしいという思いが、全面的に伝わってくるんです。最大限旅人の自由にさせてくれながら、旅人が欲しいと思う細かなサービス(お茶やコーヒーのセルフサービス、鳥や魚など分野ごとに分かれた情報ノート、チェックアウト後のシャワー利用歓迎など、その他たくさん)を揃えてくださっているんです。リピーターがあふれる宿なのがよーくわかります。


◆カンピラ荘
住所:沖縄県八重山郡竹富町字上原545
電話番号:0980-85-6508

宇宙の一大イベントかも。西表島の夕焼け

宇那利崎のつけ根、島有数の夕景の名所ドゥドゥマリの浜に行きました。

夕焼けはどの島で見てももちろん最高ですが、この島で見ると、どうにも雄大さが大幅割り増しで見えて。自分が置かれている環境、周りにあるジャングルの息吹が影響するのでしょうか。日没という宇宙ショーの規模感にクラッと来ます。地球も宇宙の一部だなぁ、と。

沈んだ後には、さらに絶句させられる空。生き物まみれの山のある島だから、雲ができやすいのはわかります。その雲と島のコラボレーションがいいのかもしれません。絵になりすぎて、ため息です。

感覚が研ぎ澄まされる、闇のマングローブ・カヌー

夜は、クーラ川のカヌーツアーに参加しました。暗闇の川面を、スーッと滑るように進んでいく体感はとてつもなく神秘的。周りにざわざわとマングローブの木々を感じ、オールが弾く水の音を一粒一粒聞き分けているみたい。

こちらはマングローブの一種、オヒルギの花と満月。そう、満月だったから闇とはいえ目が慣れてくるといろいろわかります。暗い土地では月灯りの威力をびっくりするほど感じるんですよ。なんなら本すら読めそうです。

川エビやオオウナギ、いろんなカニなど、それはたくさんの生き物が暗闇の中で元気に過ごしていました。視界情報の少ない中で、どっぷり自然のみを体感しているからか、感覚が自然側に寄り添っていきます。この島も地球も、人間のエゴで方向性を決めていいはずがない、とか偉い考えも自然にわいてきちゃうんですよね。

滝まで上って折り返し。闇の中で白く繊細に輝く滝は、水の一筋一筋がシルクのようです。ぜひ視覚情報まんぱんの昼ではなく、触覚情報頼みの夜の滝を体感してみたいという衝動にかられます。ただ実際は、滝まで近寄るのは足元が危険なので無理ですが、そういう思いを持ったことが新しいインスピレーションとして刻まれました。

ところで、ツアーから戻って宿の近くを散歩していたら、でっぷり風情のヤギがゴロンとしてましたよ。大物感ありすぎ(笑)。でもいつかはヤギ汁……以下略。


◆ナイトツアー
主催:villa 西表
住所:沖縄県八重山郡竹富町上原661
電話番号:0980-85-6653

日の出前から、空はずーっとドラマチック

日の出の40分前から中野海岸でスタンバイしていました。20分前、きましたよ、感動のひとときが。海に浮かんでいるのは対岸に見える鳩間島です。燃える空が雲で蓋をされて、あちらの島ではどんな朝を迎えているんでしょう。自分がいるここだけでなく、あっちの島、こっちの半島、目に入る広い世界の隅々の繊細な想像を掻き立てるのも、ドローン空撮の魅力だと思っています。

だんだんと紫色に変化していくひと時に、いつもぐっときます。空は本当に色っぽい。

6時30分、太陽が激しく主張しながら昇ってきました。海面を大げさにキラキラと輝かせます。あまりに大きくて美しい出来事に、心が完全に奪われる瞬間が好きなんです、朝焼けのドローン空撮。今この瞬間だけが愛しくて、過去も未来も切り離せる時間……スッキリすることこの上なくてですね。

定期船で川を上って、ジャングルの真っ只中に立つ

さて、浦内川を定期船で30分ほど上って来ました。河口のマングローブ地帯だけではなく、中流域にあたるジャングルの真っ只中に立ってみたかったから。

ここから片道45分ほど歩くと、マリユドゥの滝と、カンビレーの滝の2つを見ることもできます。わたしは次の下り船の時間までにドローン空撮したいからそこはパス。川の真ん中に立ち、空からジャングルを眺めます。

木々に差し迫られ、逃げ出すこともできない感じ。緑がいっぱいで気分爽快で、だけど閉ざされていて怖いよう。ジャングルの中に入り込めば一生の宝物になるような体験が待っているはずだけど、経験が浅いから怖さが先に立つのでしょうか。いや、自然への畏怖でしょうか。傲慢になりすぎた人間代表として畏怖であると言いたいです。人では太刀打ち不可能な、大きくて深い存在を目の当たりにして、普段にはないちょっぴり崇高がかった気分にもなれてラッキー(笑)。

ジャングルから出て、空のひらけた海辺にドローンを置いてパチリ。焼けたなー(笑)!

◆定期船
船運会社:浦内川観光
住所:沖縄県八重山郡竹富町上原870-3
電話:0980-85-6154 

1泊2日の西表島ぐるっとドライブ旅、いかがでしたか。迫力のマングローブに、感動の景色に、島の人とのほっこりする出会いなど、島の魅力をたっぷり堪能できますよ。刻々と変化する自然美をドローンで収められて大満足! 西表島、堪能しました。

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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