撮っても食べても!? 春の風物詩「もずく」で青黒く色づく迫力の絶景

沖縄県

2019.04.01

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撮っても食べても!? 春の風物詩「もずく」で青黒く色づく迫力の絶景

目次

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これぞ“もずくの絶景”! 竹富島の豊かな春をどうぞ

石垣島の海はタコ墨ほどに染まった

【番外編】もずくにシワ予防の効果あり?! 摂らなきゃ損する

産地のお店でいただきます。大胆で意外なもずく料理

“もずくの絶景”って想像つきますか? なんて言われても、本土の方にはピンと来ないかも……関東育ちのわたしも初めて見たときは景色の意味がわかりませんでした。だって、もずくがびっしり青すぎの海を占領しているんですよ! 独特なんです、迫力あるんです。でも何度か沖縄の春を過ごしたら、それを見ると「春が来たなぁ」と思うようになりました。そう、今やもずくは、梅や桜のように春の訪れを告げる風物詩的存在です。あんな見た目なのに優雅な役割ですね。今回はそんなもずくの絶景と、もずくにまつわるエトセトラをお届けしたいと思います。

これぞ“もずくの絶景”! 竹富島の豊かな春をどうぞ

ご覧ください、もずくのある海ならではの鮮やかな世界!

ドローン旅の絶景写真

これは3月の竹富島ですが、この「森・浜・水色の海・群青の海」のシマシマ絶景は、この時期にしか見られません。だって、左の群青色地帯の正体はもずくですからね。もずくが海の海藻に絡みついているんです。

もずくは3~5月ごろに生えるのですが、美味しい美味しい天然もずく、いつ漁でなくなってもおかしくありません。それに水温が上がると溶けて無くなるので、春の早い時期にこそきれいに青黒く海を占拠する姿が見られますよ。

もちろん、水色だけでもめっぽうキレイですけど、このメリハリのある風景も最高でしょ。ぜひこの豊かな気配を体感していただきたいなぁと思います。まずはこちらの動画から追体験はいかがですか?

どこまで海面を走っても、もずくがファサファサ水中で揺れているのがおわかりになったかと思います。盛大すぎでしょ、もずくの野原。初めてこういう現場を目にするまで、もずくが海を埋め尽くすほど大胆で勢いのある海藻だとは思わなかったので、かなり意外でした(もちろん生命豊かな海の中、他の海藻もきっとたくさん混ざっているとはいえ)。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

真上から見るとこんな感じです。真ん中の赤い点がわたしですが、木の森ともずくの森に挟まれてまもなく飲み込まれてしまいそう。

ちなみにもずくなどの海藻は、波打ち際近くからもちょぼちょぼと生え出します。その辺りは光もまだらに反射して、キラキラと緑が光る海に仕上がるんです。

ドローン旅の絶景写真

こちらは、もずくが盛大に生えている辺りの海面スレスレから、むこうの西表島方面を見渡している様子です。もずくのことを知らなかったら、一瞬何を意味するシーンなのか理解できないほどの黒の侵食率ですよね。でも目の前のこれが美味しい天然もずくだなんて、喜んでダイブしたいです。

ところで、沖縄の春の海は、どこもかしこももずくでびっしりかというと、決してそうではありません。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

これは竹富島を上空から眺めた様子です。海には随分広くもずくの可能性大の黒地帯も見えますが、そうではないところもちゃんとあるでしょう。そんなわけで、春に南の島を訪れても、もずくの海のみならず、水色の海もしっかり味わえるのでそこはご安心を(笑)。

ドローン旅の絶景写真

どうです! これももずくの時季の竹富のビーチです。イメージ通りのザ・南国の海的な色をしているでしょう。そして左奥の海の色が黒くなっているのもおわかりになると思いますが、そっちはもずく地帯です。いろんな海の表情を同時に楽しめるなんて、春はなんて豊かなんでしょうか。

ドローン旅の絶景写真

そしてこれが、上の写真で見えたもずく地帯での写真。なんだか別世界でしょ。降り続いた雨の後に水浸しになった原っぱに出て、「やんでよかったー」と言っているような(笑)。海は本当に表情豊かです。

ドローン旅の絶景写真

さて、海に太陽が沈みます。こんな渋い夕景が南の島で拝めるなんて。もずくのコントラストは陽気で埋め尽くされた南の島を、渋く色っぽく仕上げてくれました。なんだか斬新な息吹でしょう。

石垣島の海はタコ墨ほどに染まった

こちらは今年の3月、石垣島の海を俯瞰した様子です。

ドローン旅の絶景写真

石垣のもずくの海原もすごかった! まるで海中のタコが集結して一斉に墨を吹いたような。

ドローン旅の絶景写真

こちらも3月中旬、もずくの全盛期だったのでしょうか。最干潮の時間でもあったので、海面ギリギリにも海中の野原が見えて、だいぶ主張が強めです。

ドローン旅の絶景写真

こちらは同じ浜の2018年4月上旬。同じく干潮時ですが、だいぶ様子が違いますね。左端の黒点の釣り人のまわりはもずくで囲まれていますが、もうだいぶ収穫されたり、枯れたりした後だったんだろうなと推測します。3月に迫力のタコ墨現象を拝められたのは限られたチャンスで幸運だったのかも。

ところで、これらのもずくは食卓に上ったり、冷凍や塩蔵をして保存食にされたり、お店に出たりと、地元の方々の大切な生活の糧になっています。わたしたち観光客は、風物詩として愛でる対象としてだけ親しむことにしましょうね。

ただ、土地の理解のために、ほんの少しだけ採るのはいい案かなと思っています。太くてやわらかくて、ヌメッとする生き生きしたもずくを、自分の手で採って、洗って、試食。この地への愛が深まりそうです。

【番外編】もずくにシワ予防の効果あり?! 摂らなきゃ損する

ところで、もずくが美容と健康にいいことは漠然と知られていると思いますが、どういいのでしょう? ここでさらっとおさらいしておきましょうか。

まず嬉しい効果を発表すると「お肌にハリツヤが出る」そうですね。つまりシワが抑えられたりするとかしないとか……これは食べないと! 

その作用のおおもとはフコダインと豊富なミネラルで、お肌の保湿力を高めてくれるんですって。また、前者フコダインにはコレステロール値を下げて、糖質の吸収を緩和する働きもあるというから、いかにも健康になりそうです。それに食物繊維もたっぷりだし、低カロリーでもあるから、罪悪感知らずで追加の一品として摂り入れられるのも嬉しいところ。いやもう、嬉しいっていうか、食べなきゃ損な気がしちゃいます。

産地のお店でいただきます。大胆で意外なもずく料理

さて、石垣でいただいたもずく料理のなかでも、印象に残っているものをご紹介させていただきます。個人的にいつでも食べたいなーと思っているのは、島唄居酒屋「うさぎや」の「ざるもずく」です。

どうです、本当にザルにのっているだけのもずくです(笑)。右のそばちょこに入ったお汁に、わさび、ニンニク、生姜の薬味を足して、そばのようにいただきます。

これをお店で食べる醍醐味は! いやこの大胆不敵な山盛り具合、いくら産地とは言っても、家庭じゃなかなかできませんよ、勇気の問題から(笑)。それに、すっごくツルツルしていてほんとうにそばみたいなんです。あの気持ちのいいのど越しは洗い方にでもコツがあるのでしょうか? 噛めばプニプニと柔らかく、太さに存在感があって触感最高! もとからもずくは大好きでしたが、この日を境に、もずく愛がズドンと深まりました。

ちなみにこのサイズはまさかの「小」……「大」を注文したら、どんな山が運ばれてくるのでしょうか(笑)。

◆「うさぎや」 石垣本店 
 住所:石垣市石垣1-1  
 電話番号:0980-88-5014

こちらはまぐろで有名な居酒屋「ひとし」の、もずくの天ぷらです。カリッとした衣の中には、もっちもちのもずく! 弾力が、弾力が〜! 心地よすぎてクセになること必至です。関東で暮らしていると、もずくに火を通すことすらなかなか思い当たりませんが、まさか天ぷらにしてしまうなんてね。さすがもずくの絶景を抱える土地は付き合い方が違います。

ちなみにもずくの天ぷらは数々のお店で食べましたがサクサク感と弾力から「ひとし」が一番好みでした。ただここ……予約が本当に取りづらいんですよね、もし行きたくなったら、予定の日程が随分先だとしても、予約電話にトライした方がいいかもしれません。

◆「ひとし」本店
 住所:石垣市新栄町15-8
電話番号:0980-83-9610


いかがでしたか。後半はすっかりグルメレポートになりましたが、もずくが作る壮大な絶景も、そこに潜む嬉しい美容効果も、ひたすら美味しいその味も。ぜひすみずみ味わい尽くしていただきたいです!

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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