- 日帰り
東京・田端で映える旅 芥川龍之介ゆかりの地へ
王子、田端(東京都)
予算:5,000円〜
・旅行する時期やタイミングにより変動いたします。あくまでも目安ですので、旅行前にご自身でご確認ください。
・料金は1名あたりの参考価格で、宿泊施設は1泊2食付き週末料金を参考にしています。
更新日:2022/06/17
芥川龍之介ゆかりの地へ、カップルで出かけてみませんか? 東京の北区王子は、実は日本の洋紙発祥の地。そして田端は芥川龍之介が晩年まで暮らした街でした。ユニークな「紙の博物館」や、和と洋の融合が美しい「旧古河邸」を訪れ、「田端文士村記念館」で芥川龍之介の作品や資料に触れます。

紙の博物館

旧古河邸(きゅうふるかわてい/大谷美術館)

田端文士村記念館

洋食屋ITO(いと)

六義園

オリエント・カフェ
飛鳥山から田端を貫く「文化ロード」を含む、およそ5kmの道のりです。さあ、映え〜な場所を巡っていきましょう!

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 紙(パピルス=ペーパーの語源)が古代エジプトで発明されなければ、現在の「本」は別のかたちになっていかもしれません。そう考えると、ペーパーレス時代へ向かう現代社会は、私たち人間の機能にどんな影響を及ぼしていくのでしょうか。「書く」「読む」という行為そのものを根本から変えてしまう未来がやってくるのでしょうか。そんな想像力や問題意識をかき立てられる博物館です
- ★ 日本での紙の歴史は、古代中国を源流とするそうですが、その渡来後に国内で独自の技法を確立し、日本は和紙を生み出しました。その日本で今のように洋紙が一般的になったのも、渋沢栄一によって創業された「抄紙(しょうし)会社」(後の王子製紙王子工場)がきっかけ。勉強になります、はい
旧古河邸(きゅうふるかわてい/大谷美術館)

旧古河邸(きゅうふるかわてい/大谷美術館)

大食堂

応接室のシャンデリア

喫茶イメージ

ビリヤード室
本館と西洋庭園は大正6年5月に竣工。池泉回遊式の日本庭園は大正8年に完成。建物も庭園も、竣工当時の姿をとどめている極めて貴重な事例として、国の名勝に指定されている文化財。
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【住所】
東京都北区西ヶ原1-27-39
- 【営業時間】 <開館時間>10:30~16:30(最終入館 16:00)、<喫茶室>12:00~16:30(LO16:00)本館1F大食堂
- 【定休日】 月曜日(7月~9月、12月~2月)ただし月曜日が休日の場合は開館し、翌火曜日休館。夏季(8月中旬)・冬季(年末年始)の長期休館あり ※その他、館内整備等で休館になる場合あり
- 【料金】 <自由見学>一般400円、小学生以下無料、<ガイドツアー>一般800円、古河邸は都立旧古河庭園内の建物のため、庭園への入園料(一般及び中学生150円、 65歳以上70円)が別途入口で必要、小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 「都立旧古河庭園」のなかに建つ洋館。大谷美術館に入るには、まず旧古河庭園に入園することになります
- ★ こちらの歴史は、戦後、財閥解体によって古河財閥が屋敷を手放すことになり、大谷米太郎(よねたろう)に購入の話が持ちかけられたのが始まりだそう。大谷米太郎は、鉄鋼業・ホテル経営で財をなした人物です。ホテルニューオータニといえば、お分かりになるでしょう。旧古河邸が大谷美術館である由来です
- ★ 設計は、日本の近代建築の礎を築いたジョサイア・コンドル、その最晩年の作となります。洋館の内部に完全な形で和室を取り込んでおり、西洋と和の共存が最大の特徴。なんてったって美しい。すごいぞ! コンドル
田端文士村記念館

田端文士村記念館

企画展 展示風景

企画展チラシ

河童忌2022
特別展 展示風景
明治後期、東京美術学校(現・東京藝術大学)の開校を機に、田端には若い芸術家が移り住むようになった。大正期になると多くの文筆家が加わり、昭和初期にはさながら文豪や芸術家たちのコミュニティのような形に。彼ら芸術家・作家たちの功績と「文士芸術家村」としての歴史を後世に継承していく目的で、同施設は平成5年に設立。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ それまで多くの画家たちがこぞって住んでいた街・田端に、文学作家たちが集まってくるようになりました。大正3年に芥川龍之介が移り住み、続いて室生犀星(むろうさいせい)が同5年に来てからのことだといいます
- ★ 同記念館では100人以上の芸術家や文筆家の功績が称えられており、芥川龍之介は以下のように紹介されています。「たぐいまれな才気と下町人特有の世話好きな性格は多くの人々を惹きつけ、田端文士芸術家村の中心的人物として大きな役割を果たす」(「開館20周年記念誌」より)。ところで「文士」って、誰が言い出したのですかね……
- ★ 芥川家が田端で暮らした家を1/30ほどの大きさで復元した模型をはじめ、彼の関連資料や関連パネルなども展示されています
- ★ 記念館近くにある旧居跡では現在、名前を冠した初の施設「芥川龍之介記念館」が建設中。そこでは、天才作家の生きた暮らしを体感できる展示に力点が置かれる予定だそうです
洋食屋ITO(いと)

洋食屋ITO(いと)

店内

牛リブアイステーキ ガーリックソース

ハンバーグデミグラスソースのランチ

焼き上がったシフォンケーキ
ご夫婦で営む下町洋食店。手作り感満載な店内、清潔でアットホームな雰囲気は、あくまで隠し味。メインはやっぱりデミグラスソース!

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 田端では数少ない洋食店。ランチは1,000円前後。混雑の具合や仕入れ状況によって品切れになることも。ご夫婦で切り盛りしているため、温かい心で慌てずにお願いいたします。職場や住まいのご近所にあったら、行きつけになること請け合いのアットホームな雰囲気です。こういうお店、好きなんですよねぇ
- ★ 店名のITOは、奥様のお名前に「糸」の文字があり、そこから取ったそうです。決して伊藤さんではありませんから〜(笑)

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 造園当時、小石川後楽園とともに、江戸の二大庭園と謳われたこちら。歩き疲れたら、園内の「吹上茶屋(フキアゲチャヤ)」で抹茶を一つ、というのもいいですね
オリエント・カフェ

オリエント・カフェ

夜もいい雰囲気
文庫ランチ「マリーアントワネット」 2,000円(税込)
オイレンブルグセット 1,880円(税込)
バーカウンター
夜になると、昼間とはまた違った表情をたたえるカフェ。建築家・元良信彦が設計デザインする店内で、「東洋文庫ミュージアム」ゆかりのメニューを堪能できる。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 次に行くスポット「東洋文庫ミュージアム」に入る前に、併設のカフェで一服しましょう。ここまで歴史的、文化的な濃密な時間を過ごしましたから。もちろん、このスポットを後回しにして、優雅なディナーを楽しむのもおすすめですよ
- ★ こちらのカフェは、小岩井農場による運営。同店が入居する「東洋文庫ミュージアム」と「小岩井農場」は、深いつながりがあります。その詳細は、同店の公式HPをご覧ください。お店の内装や料理などに、両者のゆかりや意匠が散りばめられているのも素敵です
- ★ ランチ、ディナーのほかにも、会食や貸し切りパーティー、ミーティングなど、グループプランもあります。詳細は同店へお問い合わせください
東洋文庫ミュージアム(モリソン書庫)
東洋文庫ミュージアム(モリソン書庫)

外観

オリエントホール
モリソン蔵書票しおり 380円(税込)
知恵の小径
岩崎久彌(ひさや)が1924年に設立した、東洋学分野での日本最古・最大の研究図書館。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 世界5大東洋学図書館の一つに数えられる、まさに知の殿堂です。国宝5点、重要文化財7点を含む蔵書は、なんと100万冊!
- ★ 日本一美しい本棚と称される「モリソン書庫」は、高さ10m。豪州出身のジャーナリスト、G・E・モリソンが収集した蔵書は約2万4,000点!
- ★ こちら、もともとは研究者を対象にした図書館でした。2011年にミュージアムが開館し、貴重な蔵書を一般の方にも広く公開しています
- ★ 壁一面の蔵書を見ただけで、本は芸術品だということがよく分かります。だけど、そうした表層に捕らわれるのではなく、しっかり読書して内容を身につけることが大事。そう分かっていても、すぐに眠くなるのよねぇ。それも本の、もう一つの効用だと思わないでもないけれど……
各スポットの説明は概要になります。詳細は各所にお問い合わせください。
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