- 日帰り
神楽坂・早稲田を満喫 夏目漱石を巡る散歩旅
神楽坂、早稲田(東京都)
予算:10,000円〜
・旅行する時期やタイミングにより変動いたします。あくまでも目安ですので、旅行前にご自身でご確認ください。
・料金は1名あたりの参考価格で、宿泊施設は1泊2食付き週末料金参考にしています。
更新日:2022/04/04
多くの文人墨客から愛された神楽坂。夏目漱石「それから」に登場する高等遊民の暮らしを送る主人公は、この街に住んでいました。近年はフランスの薫りもまとう花街を、漱石をテーマにした文学旅行で満喫します。恋人やご夫婦で、互いに“高等遊民”になってみてはいかがでしょうか。

東京理科大学 近代科学資料館

兵庫横丁、かくれんぼ横丁、から傘横丁

料理旅館・和可菜

志満金

相馬屋源四郎(そうまやげんしろう) 商店

毘沙門天 善國寺

新宿区立漱石山房記念館
外堀通りの桜は3月下旬〜4月上旬が見頃です

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 「近代科学資料館」なのに、「坊っちゃん」関連の資料もあるのがユニークです。東京理科大学は、理系脳だけでなく、人間への深い洞察という文系脳とのバランスを大事にしているのだなぁと感じさせますね
- ★ 知っていましたか? 東京理科大学のイメージキャラクターは、「坊っちゃん」が由来なんです。マドンナちゃんはリケジョになりますね(笑)。理系の人にとっては、「屋井乾電池」必見! 一方、漱石の原稿に使われたその用紙については、後ほど秘密の場所へ行きますから、ここで旅のパートナーに前振りをしておきましょう
兵庫横丁、かくれんぼ横丁、から傘横丁

兵庫横丁、かくれんぼ横丁、から傘横丁

「兵庫横丁」 戦国時代に牛込城の武器庫(兵庫)があったことにちなみます

「から傘横丁」 かつてここにあったお店でよく傘が干されていたから、だとか

「かくれんぼ横丁」諸説あるようですが、旦那衆が「おしのびで来るから」の説をとりたい

「メインストリート」 日曜日には、シャンソンが流れ、歩行者天国になります
老舗の料亭だけでなく、フレンチやイタリアン、ヌーベルシノワなどのレストラン、そして雑貨店なども多く、界隈は花柳界の薫りを残しつつも、大人のおしゃれな空間となっている。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 江戸時代から続く花街の風情を今に残す石畳と黒塀。漱石さんも、この狭い路地を歩いていたのでしょうか。多くの作家が原稿を書くために缶詰になる場所として、その筋では有名だった旅館「和可菜(わかな)」については後の行程で……
- ★ フランス領アルジェリアのカスバを舞台にした映画「望郷」の主人公ペペ・ル・モコになった気分(古いなぁ)。さあ、一緒に、かくれんぼしましょう
再生プロジェクトに胸を熱くしろ!
料理旅館・和可菜

料理旅館・和可菜

竹の部屋 本間 左官黒©Kengo Kuma and Associates

網代の部屋 本間 左官黒©Kengo Kuma and Associates

緑の部屋 本間 左官黒©Kengo Kuma and Associates
兵庫横丁にある旅館「和可菜」は、昭和の大女優小暮実千代の実妹・和田敏子さんが女将だったこともあり、作家や脚本家たちが缶詰になる旅館として、その筋では有名だった。2015年末から事実上閉館状態だったが、隈研吾建築都市設計事務所の手で再生予定。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 文人宿として逸話の多いこちらは、オーベルジュとして2022年中に再生オープンします。今回は先様のご協力により、特別に内部のパースを掲載。奥深い花柳界の歴史と、文学をめぐるエピソードは生き続けます。すごいぞ! 隈研吾!
うな重に舌鼓を打て!
志満金

志満金

清潔な店内

串打ち三年、裂き八年、焼き一生……うまい
神楽坂の老舗・志満金。「赤い鳥運動」を起こした鈴木三重吉らと一緒に漱石が夕食に行った、という記録が残っている。最近のうなぎ店にありがちな甘いタレではなく、昔ながらのキリッとした辛口で、サッパリする味わいは至高。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 明治2年の創業当時は、日本に数件しかなかった牛鍋の店だったそうです。昼だとしてもビールといきましょう! 肝焼を頼むのが通ですよ。志満金のような老舗には末永く続いてほしいと切に思います。ここでお昼をとれば、デートは完璧
相馬屋源四郎(そうまやげんしろう) 商店

相馬屋源四郎(そうまやげんしろう) 商店

店内にある展示ショーケース

漱石の弟子・森田草平と美人画の大家・鏑木清方の生原稿

罫線が桜色(赤)タイプ。万年筆を使ってごらんなさい、紙との相性はもはや快楽

翠(グリーン)の罫線。色は淡く、目に優しい
それまで筆記には和紙を使っていた日本。明治時代に、作家の使う原稿用紙を洋紙へ転換したのが、この「相馬屋 源四郎商店」。夏目漱石も、ここの原稿用紙を愛用していた。店内には、貴重な資料が展示されている。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 現店主は11代目。初代は紙すき源四朗(郎)と呼ばれていたそうです。1659年には紙づくりを生業とし、やがて紙問屋となり、戦後に現在の文房具店の姿になったといいます。京都の名店も真っ青な老舗中の老舗
- ★ 漱石御用達だったこちらで文房具を買えば、勉強も実力アップ間違いなし! 原稿用紙のほかにも、デートならおそろいの手帳を買ってもいいですね

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 「坊っちゃん」での記述は以下。「神楽坂の毘沙門の縁日で八寸ばかりの鯉を針で引っかけて、しめたと思ったら、ぽちゃりと落としてしまったがこれは今考えても惜しい」。最近では伊集院静「いねむり先生」の舞台にもなっています。いねむり先生こと色川武大(いろかわたけひろ)も、伊集院静も、執筆時には和可菜を利用していました
- ★ ここでおみくじを引き、縁談の良否を確認するのがデートの定番。「坊っちゃん」にも登場する場所なので、漱石もここでおみくじを引き、縁談の良否を確認していたかもしれませんね
新宿区立漱石山房記念館

新宿区立漱石山房記念館

1階導入展示トピックス(無料)

通常展(有料)
漱石が明治40(1907)年9月から大正5(1916)年に亡くなるまでの9年間を暮らした家は、門人から「漱石山房」と呼ばれていた。記念館は、その家のあった場所に立地する。隣接する漱石公園には、漱石の胸像と、夏目家で飼われた生き物たちを供養するため「猫の墓」がある。通りを早稲田方面へ行くと、漱石の生誕地の史跡も。
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【住所】
東京都新宿区早稲田南町7
- 【TEL】 03-3205-0209
- 【営業時間】 開館時間10:00~18:00(入館は~17:30)※漱石公園開園時間<4月~9月>8:00~19:00、<10月~3月>8:00~18:00、※ブックカフェ利用時間10:00~18:00(LO17:00)
- 【定休日】 月曜日 ※休日の場合は、直後の休日でない日、12月29日~1月3日
- 【料金】 一般300円、小・中学生100円 ※特別展等の開催時の観覧料は内容により変わります※団体(20名以上・要事前連絡)は個人の観覧料の半額 ※小・中学生は以下の学校休業日については観覧料が免除 ①土曜日・日曜日、②国民の祝日(振替休日を含む)、③都民の日(10月1日)、④新宿区立小中学校の夏季・冬季・春季休業日 ※障害者手帳をお持ちの方は、受付にご提示いただくと観覧料が無料(介助者も1名まで無料)

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 2017年に開館した漱石山房記念館。数々の名作を生みだした書斎だけでなく、客間、ベランダ式回廊を、忠実に再現しています。これを機会に、100年前の文学がなぜ現代まで読み継がれているのか、その秘密を解いてみませんか? 読書体験を深めるため、またデートのメインイベントとして……
BOOK&BAR余白

BOOK&BAR余白

看板もおしゃれメインストリートから少しはずれた立地にあるのも「余白」を感じさせます。

ローストビーフ

自家製パンチェッタのカルボナーラ

赤ワイン煮込み

アイリッシュウィスキー
壁一面に広がる特注の本棚。2,000冊の紙の匂いに包まれながら、その日の疲れを癒やそう。約6坪の店内は、カウンター9席のこぢんまりとした空間。

鹿子沢ヒコーキのおすすめポイント
- ★ 歩き疲れた文学旅行のしめくくりに、出版社や印刷所の多い神楽坂ならではのブックバーで、癒やしの時を共に過ごすのはいかがでしょうか? お昼がお重だったので、バーの軽い食事とお酒のマリアッジは至福です。根井店主ご夫妻が温かく迎えてくれるでしょう
- ★ 本に囲まれた、こぢんまりとした店内。その小さな世界こそ、まさに人生の行間にある「余白」の心地良さなのかもしれません
NPO法人文学旅行 鹿子沢ヒコーキ
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