平成最後の乗り鉄はこれで決まり! 木村裕子のおもしろ鉄道旅~時代の詰め合わせ編~
目次
ついに決まった新元号「令和」!
5月1日より新たな時代の幕開けとなりますが、ここ最近流行っていた“平成最後の○○”。私も便乗して(笑)もし“平成最後の乗り鉄”へ行くならおすすめしたい、この31年間をギュッと詰め合わせたような乗り鉄をご紹介します。
1912年~2019年の108年を旅する
実は日本には、「大正駅」「昭和駅」「平成駅」という駅が実際に存在します。ということは……大正元年の1912年から現在の平成までの108年を“乗り継ぐ”ということが出来てしまうということ! す、すごい。
それでは、それぞれどんな駅なのかを見ていきましょう。
まずは「大正駅」。この駅は大阪と長崎にあり、JR大阪環状線、大阪メトロ長堀鶴見緑地線、島原鉄道と3駅も存在しているんです。大阪の「大正駅」周辺は沖縄料理店が多いことから“リトル沖縄”とも呼ばれているので、お店巡りなんかも楽しめそうです。
駅名の由来は、位置する地名の大正区からきていて、この大正区は大正時代に架けられた大正橋からきているんだそうですよ。
工場地帯にある「昭和駅」
お次は「昭和駅」。こちらは神奈川県のJR鶴見線にあります。臨港工業地帯を走る路線なので、物資輸送の貨物列車が頻繁に行き来する貨物ファンにはたまらない場所。車内からはパイプ剥き出しの配管や煙突から出る煙も眺められ、工場見学をしている気分になれますよ。
こちらの駅名の由来は、駅前にある会社「昭和電工」からきています。ちなみにこの企業名は、“昭和肥料”と“日本電気工業”が合併したもので、昭和肥料は昭和3年に元号にちなんで名付けられました。
元号が変わるという発表後に大注目された「平成駅」
「平成駅」は熊本県のJR豊肥本線にあります。住宅に囲まれた場所にあり、すぐお隣は大きな熊本駅です。こちらの由来も、地名の平成からだというからビックリ! 平成という地名があったんですね~。この駅の住所は、熊本県熊本市中央区平成二丁目になります。住所に平成がはいっているとなんだか不思議な感じ……。
そこで注目したいのが、北九州にある「平成筑豊鉄道」。この社名は、昭和63年に新たに会社が誕生するタイミングで会社名の一般公募を行い、翌年1月7日に社名を発表することになっていました。ただ、一般公募をして最終選考までしたのに、この1月7日に新元号の平成が発表され、急遽「平成筑豊鉄道」にしたそうです。恐るべし元号の威力! おそらく社名に新元号が使われた最速記録だと思います。
最後に木村ポイント!
「昭和駅」は過去に2回切符が売れまくった日がありました。昭和55年5月5日に、券面が「昭和5555」となった日と、昭和56年7月8日の「5678」の日です。この時ばかりは、この駅で切符を買う人が押し寄せて人員応援として近隣の駅員が駆けつけ、さらには駅前の昭和電工の警備員さんが人員整理を手伝うほど! 大騒ぎだったそうです。
元号が変わると色々なところに影響するからおもしろいです。新元号の「令和駅」が出来る日も近いかもしれませんね~。