(後半)初夏の九州。阿蘇と“くじゅう連山”を目指す4泊5日の自転車旅

熊本県

2023.05.05

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(後半)初夏の九州。阿蘇と“くじゅう連山”を目指す4泊5日の自転車旅

こんにちは! トラベルライターの土庄です。後半戦は、くじゅう連山の峰々を登頂した後、自転車で日田まで抜けて1泊。日本三大渓谷美のひとつと謳われる耶馬溪(やばけい)の山間部を走る廃線サイクリングロードを使って、唐揚げの聖地・中津を目指します。なんとか最後まで天気も保ってくれて、最高の自転車旅を締めくくることができました。

目次

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<4日目>登山の魅力を再確認した「くじゅう連山」の絶景

<4日目>九州本土最高峰のくじゅう連山に登頂

<4日目>憧れの長者原へ。新緑の高原をダウンヒル

<4日目>田舎の風情に浸る。滝めぐりをしながら日田へ

<5日目>天気に合わせて進路変更。耶馬溪を抜けて中津へ

<5日目>本場・中津の唐揚げを堪能! なぜかカラオケで〆

<4日目>登山の魅力を再確認した「くじゅう連山」の絶景

山腹の朝。澄み渡った空のもと出発!

山腹の朝。澄み渡った空のもと出発!

今回宿泊したのは法華院(ほっけいん)温泉山荘。くじゅう連山の山腹にある九州最高所の温泉をもつ山荘です。個室は20部屋、温泉に入れて、建物は清潔感にあふれていて、快適に過ごせました。朝日が昇ったら、早速くじゅう連山を目指してスタートします。

生命力溢れる新緑の道を歩く。

ダイナミックな地形が広がるくじゅう連山。

足元には可憐なツツジの花。

GWはちょうど標高の高い山が芽吹く季節。まだ淡い新緑がきれいです。そして振り返るたびにくじゅう連山の坊ガツル・大船山(だいせんざん)方面のすばらしい景色が望めました。風も涼しく、登りでかいた汗をクールダウンしてくれます。
清々しく気持ちがいい、これだから登山は止められません。登山に目覚めてから、日本には自分が思っている以上に魅力的な場所が多くあると気づきました。

<4日目>九州本土最高峰のくじゅう連山に登頂

ファーストピークの白口岳に登頂!

ファーストピークの白口岳に登頂!

自転車と登山でたっぷりと登った旅の前半。もちろん脚には疲労が溜まっているのですが、旅の中盤になるとなぜか調子が上がってくるから不思議です。登山開始から1時間ほどで、本日1座目※1となる白口岳(しらぐちだけ、標高1,720m)に登頂しました。

※1 山を1座、2座と数えます。

火山らしいピークをつないで山々を歩いていきます。

GWはまだ緑のない山上の別世界。

九州本土最高峰の中岳(標高1,791m)に登頂。

快晴の中、ここまで自力で来れた感動はひとしお。もう日本百名山「久住山(くじゅうさん、標高1786m)」は目と鼻の先です。2座目の稲星山(いなぼしやま、標高1774m)から3座目の中岳(なかだけ、標高1791m)を抜け、火山らしい登山道を歩いていきます。

緑と青の対比が美しい久住山山頂。

背後には雄大な火山地形。

最高の景色を眺めながらお弁当。

山頂近くまでくると、圧倒的に開ける阿蘇方面の景色。吸い込まれる青と緑の境界線の対には、赤茶けたくじゅう連山の見事な山体が広がります。天気に恵まれながら無事に登頂できました。山荘で用意してくださったお弁当を広げ、最高の景色を眺めながらいただいたお弁当のおいしさは忘れられません。友人と感動を共有できたのもかけがえのない思い出です。

<4日目>憧れの長者原へ。新緑の高原をダウンヒル

下山は気持ちのいい山歩き。

下山は気持ちのいい山歩き。

くじゅう連山の登山を終えたら、自転車の置いてある「やまなみハイウェイ」の最高点・牧ノ戸峠を目指します。ほぼ平坦な道と下り坂なので登山の余韻に浸りながら、足取り軽く戻ってくることができました。下山後に峠でいただくソフトクリームは、体にしみわたり最高です!

やまなみハイウェイをダウンヒル。

やまなみハイウェイを下っていきます。昨日稼いだ分の貯金(標高)を、心ゆくまで堪能します。ゴールの日田までは、ほぼ下りというのが嬉しすぎます。途中、念願の「長者原(ちょうじゃはら)」へ寄ることもできたので、やまなみハイウェイのハイライトで、愛車との写真撮影を楽しみました。

くじゅう連山のすばらしい景色をあとに。

緑あふれる九酔峡(きゅうすいけい)を通過。

噴煙たぎる硫黄山が見え、先程まで傍らを歩いていたなんて信じられません。大スケールの山と道を大いに味わい尽くした山岳区間も本日フィナーレ、ありがとう九重! 豊後街道(国道210号線)まで下る新緑ダウンヒルが続いていきます。

<4日目>田舎の風情に浸る。滝めぐりをしながら日田へ

美しい淵を作り上げる慈恩の滝。

美しい淵を作り上げる慈恩の滝。

日田(ひた)まで続く豊後街道は滝の宝庫です。里山の風情と渓流の眺めを楽しみつつ、要所要所でクールダウンできました。おすすめの滝は、道の駅も併設している「慈恩の滝」です。絹のように滑らかに流れる水流が、澄んだ淵を作り上げています。

◆慈恩の滝
住所:大分県玖珠郡玖珠町山浦618
電話:0973-57-2166

◆道の駅 慈恩の滝 くす
住所:大分県玖珠群玖珠町大字山浦618-24
電話:0973-77-2260
営業時間:9:00~17:00

鉄道と併走する国道の情緒。

沈下橋のような場所を発見。

ローカル線の醸し出す旅情。

田舎の山間部を走り抜ける少し地味なルートでもあるのですが、そこがまた自転車のおもしろさだったりします。横目を流れていく日本の原風景の癒しや、どこか感じられる懐かしさ、自転車の適度なスローペースで味わうことで、より印象に残る気がします。

ゲストハウスやすらぎさんへゴール。

おすすめしてもらった居酒屋で乾杯。

心奪われた日田の夜景。

予定より早く、日田のゲストハウス・やすらぎにゴール。受付へ行くと、オーナーの娘さんが勉強の手を止めて、応対してくれました。オーナーには、おすすめの居酒屋や温泉などを紹介してもらい、すごく助かりました。現地でのコミュニケーションは旅の最高のスパイスですね!

ついに明日が最終日。日田温泉では友人と今回の旅を振り返ります。阿蘇から自転車と登山でくじゅう連山を抜けて、日田まで自力で走っきたことやルートを引けた喜びを友人と2人で噛み締めていました。

◆ゲストハウスやすらぎ
住所:大分県日田市隈2-4-21
料金:個室は1名 5,500円、2名 7,000円、3名 9,000円
電話:080-5265-8176

<5日目>天気に合わせて進路変更。耶馬溪を抜けて中津へ

朝の城下町を駆け抜けて。

中津まで45kmの山間部の旅へ。

実をいうと最終日のスケジュールについて、明確には決めていませんでした。というのも新幹線の通過する駅に着けば、あとはどうにでもなるから(笑)。天気予報は曇りのち雨。雨が降る前にゴールできるか際どいタイミングでしたが、中津を目指すことに。

廃線跡の駅をつなぐサイクリングロード。

田舎の田園風景が与えてくれる癒し。

名所「青の洞門」にも立ち寄り。

後半はひたすら疾走! トンネルで雨宿り。

最後に走ったのがメイプル耶馬サイクリングロードです。日本三大渓谷美にも選ばれ、かつての廃線跡がサイクリングロードとして活用されている場所。奇岩奇勝を眺めながら、日本の原風景を駆け抜ける、風情ある自転車旅を楽しみました。廃線跡は坂道や信号がなく、ストレスフリー。雨雲レーダーを調べながら、なんとか本降り前に中津にゴールすることができました。30分ほど間に合わず、結構濡れてしまったのも、今となっては懐かしい思い出です。

<5日目>本場・中津の唐揚げを堪能! なぜかカラオケで〆

雨に濡れながら何とか唐揚げ屋さんへ。

サクッとジューシ〜な本場のおいしさ。

中津といったら「唐揚げ」です。日本中どこを訪れても見かけることのある中津の唐揚げ。すっかり全国区に定着しましたが、やはり本場の味が一番! サクサクながらジューシー。お肉の旨味と醤油がマッチして、何個でも食べられます。とくに、からあげ屋チキンハウス中津本店がイチオシです!

◆チキンハウス 中津本店
住所:大分県中津市中央町2-7-61
電話番号:0979-22-6266
営業時間:11:00~14:00
定休日:水曜日

まさかのローカルカラオケ店で熱唱。

自転車は駅に止めます。

雨も強くなってきたので潔く旅を終えるかと思いきや、私たち2人が訪れたのはなんとカラオケ。学生時代からよく2人で行っていたこともあり、中津の駅前で熱唱しました。最終日はまさかのKK(唐揚げ・カラオケ)ライドです(笑)。

ということで最後まで自分達らしい旅を楽しみました。旅に行く前には「どんな旅になるだろう?」と期待と不安が半分半分ですが、終わってみればちゃんとオリジナルになっているのが自転車旅の面白いところ。

5日間でここまで冒険ができる! 自転車旅の可能性って本当に広いと思います。皆さんも近場から自転車旅をはじめ、ぜひ長期連休を使って自分だけの冒険に挑戦してみてください。

初夏の九州! 阿蘇とくじゅう連山を目指す4泊5日の自転車旅(前半)

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#九州 #ゲストハウス #登山 #自転車旅 #ヒルクライム #くじゅう連山 #耶馬溪 #豊後街道 #中津の唐揚げ #久住山 #やまなみハイウェイ

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自転車旅 土庄雄平

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然・暮らしに一歩踏み込んだ情報発信に精を出す。学生時代から、ライフワークにしている登山と自転車旅をかけ合わせ、四季に身を投じる旅スタイルで日本各地を巡っている。好きな被写体は、道や雪山の風景。最近は秘湯めぐりにハマっている。

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