地酒王国新潟を楽しむ「越乃Shu*Kura」鉄道旅
愛読書は時刻表。暇さえあればリュックひとつで旅に出かける私は、こよなく愛する鉄道を使い、温泉や絶景巡りをしています。鉄道旅を通して見つけた魅力をお伝えします。今回は、お酒がコンセプトの「越乃Shu*Kura」に乗って出かけてきました。
目次
お酒を楽しむ列車「越乃Shu*Kura」
旅の始まりは、東京駅から北陸新幹線 はくたかに乗って約2時間の上越妙高駅です。
今回乗車するのは、青いディーゼル列車「越乃Shu*Kura」。名前の由来は、越乃=越後、Shu=酒、Kura=蔵、*=米・雪・花。酒蔵を名乗っている通り、地酒を楽しむことをコンセプトにした列車。地酒王国新潟のおいしいお酒を飲みながら旅を堪能できる酒好き必見の列車です。
1号車:旅行商品販売専用スペース
列車の中をご案内。1号車はJR東日本の旅行商品専用車両。ツアーはネットから申込み可能です。
2号車:地酒とおつまみを楽しめるイベントスペース
2号車は、和を基調にしたシックな空間です。サービスカウンター「蔵守~Kuramori~」では数々の地酒やおつまみ、グッズが販売されています。ゆっくりお酒を飲みながら日本海を眺めることもできます。看板商品は「利き酒セット」。常時5種の地酒が用意されていて、一杯300円から少しずついろんな種類のお酒を楽しむことができます。
発車前なのに「鮎正宗」と列車限定の「新潟しゅっぽっぽ」を買ってしまいました。ミニボトルで買うとカードがもらえて、裏のQRコードからお酒の紹介動画にアクセスできます。
3号車:ゆったり景色を堪能できるくつろぎスペース
3号車は、一般車両。白を基調とした、雪・米・酒をイメージしたモケット。談話のしやすいロビースペースもあります。
越後へ向けて出発進行!
いよいよ出発進行! 駅員さんたちに見送ってもらいテンションが上がります。
今回乗車する列車は「柳都(りゅうと)Shu*Kura」。行き先によって名前を変えており、十日町に向かうときは「越乃Shu*Kura」、越後湯沢に向かうときは「ゆざわShu*Kura」です。柳都とは新潟市の異名。新潟の花街をイメージしたネーミングです。
しばらく走ると豪華な列車と行き違います。こちらは「雪月花」。えちごトキめき鉄道が走らせるレストラン列車です。いつか乗ってご紹介したいですね。
日本海の絶景を走る
直江津駅を過ぎると列車は日本海沿いを走ります。景色を堪能するため2号車イベントスペースに来ました。
お酒片手に穏やかな日本海を眺めます。こちらは「男山」。とても爽やかで飲みやすいです。なんて贅沢な休日なのでしょう。
列車は日本一海に近い駅といわれる青海川駅に到着。眼下は海。列車はここでしばらく停車し、外に出て潮風と波の音を直接感じることができます。多くのお客さんがここで降りて景色を楽しんでいました。
これだけ海が間近に見られる駅は少ないことから1993年の『高校教師』、2001年の『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』など多くのドラマのロケ地となっています。
ちなみにこの列車、上り(新潟→上越妙高)は夕方に走るのでここで夕焼けが見られる時期もありそうです。
直江津名物「鱈めし」を堪能
青海川駅を過ぎれば11時。早めの昼食としましょう。
1号車ではお弁当が振舞われていますが、今回は、どうしても食べたかった直江津名物駅弁「鱈めし」(1,400円)を購入。直江津駅はかつて北陸本線と信越本線が交わっていた鉄道の重要拠点でした。北陸新幹線ができてその地位は上越妙高駅に譲りましたが、こちらのお弁当は健在です。
それでは御開帳! 棒鱈の甘露煮、鱈の親子漬け、焼きたらこ。鱈づくしのお弁当はどれも逸品。2012年には駅弁大将軍に選出されました。米はもちろん新潟県産。塩昆布と混ぜ合わせた炊き込み飯になっていておいしくないわけがありません。水に浸したあと秘伝のたれで何時間も煮込んだ棒鱈は、骨も気にならない柔らかさ。野沢菜のわさび漬けも酒を進ませます。直江津駅が誇る名駅弁! しっかりおいしくいただきました。
美酒・美食の旅は終盤へ
振舞酒の「麒麟山」をいただいていると列車は長岡駅に到着。ここは上越新幹線の乗換駅。新潟駅まで1時間あり、ここから乗ってくる方も多くいました。「越乃Shu*Kura」「ゆざわShu*Kura」として運転される日は、上越線を南に下っていきます。
新津駅に到着しました。もうここは新潟市。上の写真でわかるように多くの分岐があることから特に国鉄時代は「鉄道の町」として栄えました。
列車は新潟駅まで行くのですが、私はこの駅で下車。
おいしい地酒を提供してくれた「蔵守~Kuramori~」さんに感謝。
そしてきれいな日本海、越後平野の景色を見せてくれた「越乃Shu*Kura」に感謝。酒も食事もすすむ最高の場を提供いただきました。
「越乃Shu*Kura」は、地酒王国新潟ならではの地酒をとことん楽しむ列車。車窓に広がる日本海の景色を見ながら楽しむ一杯は、酒好きの方へ至福の時間をもたらしてくれるでしょう。「蔵守~Kuramori~」では、利き酒の銘柄を定期的に変更しています。乗車の時期によって楽しめる地酒が変わるのも楽しみのひとつですね。ぜひ一度ご乗車してみてください。
◆越乃Shu*Kura
運行日:おもに金・土・日・祝日
運行区間:
「越乃Shu*Kura」 上越妙高駅〜十日町駅
「ゆざわShu*Kura」 上越妙高駅〜越後湯沢駅
「柳都Shu*Kura」 上越妙高駅〜新潟駅
※運行スケジュールについては公式HPをご確認ください。