世界遺産まで徒歩30秒! 『和空 法隆寺』で1泊2日の大人の修学旅行

奈良県

2022.03.31

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世界遺産まで徒歩30秒! 『和空 法隆寺』で1泊2日の大人の修学旅行

旅色LIKESメンバーのかっきーさんが、お試しステイの旅へ。世界遺産・法隆寺を眼前に泊まれるお宿で、施設の魅力はもちろん、世界遺産にまつわる貴重な文化体験の話まで子細にレポートしていただきました。

目次

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♦この記事を書いたメンバー

心身ともに、整えてくれる“門前宿”

ホスピタリティ溢れ、ホッと落ちつく客室

旅の疲れを癒し、身を清める「浴堂」へ

旅館にいながら、名店の味を堪能

必ず参加すべし! 唯一無二の語り部プログラム

トークショー「会いに行きたくなる仏像講座」

名物語り部と巡る「世界遺産法隆寺 再発見ツアー」

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かっきー
一人旅(国内外)、カメラ、ドライブ、食べることが大好き! もっと知らない世界を見てみたい。 もっといろんな人に会って話してみたい。 もっといろんな食べ物を食べてみたい。 夢は自分の目で肌で耳で舌で世界中を体感すること! 熊本在住。熊本大好き!

心身ともに、整えてくれる“門前宿”

3月中旬、春を通り越して一気に初夏が訪れたかのような快晴のもと、母と久しぶりの二人旅で訪れたのは、奈良県斑鳩(いかるが)町にある門前宿 『和空 法隆寺』。世界遺産法隆寺の参道にある旅館です。

門前宿とは、寺社へ参拝する前に立ち寄り心身を整える場所。館内に一歩足を踏み入れれば、ゆったりと落ち着いた雰囲気ながら、どこか凛と背筋を伸ばしたくなるような上質な大人の空間が広がります。

和モダンな雰囲気で快適な客室、身を清めてくれる「癒しの湯・浴堂」、名店・神田川監修の料理等、心身ともに健康な状態を取り戻し、“整える”には十分すぎるほどの環境が揃っています。

さらに、名物語り部による法隆寺ツアーやにほひ袋作り、絵写経など様々文化体験もでき、学びある宿泊体験は、まさに大人の修学旅行。そんな魅力たっぷりの和空 法隆寺を紹介していきます。

ホスピタリティ溢れ、ホッと落ちつく客室

客室は畳と木の温もりが感じられ、間接照明が優しく落ち着くお部屋です。畳のためどこでもくつろいだり、荷物を整理できたりと、場所を気にすることなく広々と過ごせます。

私が宿泊した部屋では低層ベッドが使用されており、畳の部屋にマッチしています。段差が低いため、ご高齢の方や小さなお子様も安心です。

客室の障子を開けると、目の前には法隆寺の参道が見えます。

世界遺産の参道を部屋から臨むことができるなんて、さすが門前宿。「これぞ、参道フロント!」そんなワードが頭をよぎるほど、気持ちが高まります。

浴室も広くゆっくりと浴槽に浸かることができます。さらに、シャワーヘッド型美顔器の「ミラブルplus」が全室に完備されているとのこと! 女性にはうれしいですね。

小物にも遊び心が。こちらのスリッパは鼻緒の部分がそれぞれ違うデザインが施されており、履くのが楽しくなります。裸足で履いても脱げにくく、急ぎ足で歩いてもパタパタと音がしない作りです。

客室に置いてあるこちらの籠は浴堂に行く際に着替えなどを入れていくのに使います。握り心地や柔らかさが丁度よいため、この籠が母の大変お気に入りで「このまま持って帰りたい!」と何度も言っていました。

旅館の部屋には銘菓が置いてあることが多く、楽しみの一つですが、『和空 法隆寺』では、奈良名物の「柿もなか」が。なんともかわいらしい見た目の中には、柚子香る濃厚な甘さの柿餡がたっぷりと入っており、小さいながら食べ応え十分で、満足度の高い逸品です。

旅の疲れを癒し、身を清める「浴堂」へ

和空法隆寺には男女それぞれに2つずつ浴堂があります。浴堂とは参拝の前に身体の垢を落として身を洗い清めるための施設。大浴場とは異なり2~3人で入る仕様で、こぢんまりとしています。

浴堂に流れるヒーリングミュージックは安らぎを与え、心も清められていきます。

①白虎:黒鉛珪石(ブラックシリカ)の湯

ブラックシリカは世界で唯一北海道の上ノ国町でしか産出されない「幻の天然鉱石」で「神宿る石」とも言われています。遠赤外線効果が高く、血流促進効果や消臭、浄化作用、新陳代謝促進作用、ストレス解消、美肌効果など様々な効能があるのだそう。

うれしいことに、この黒鉛珪石(ブラックシリカ)の貸し出しも行っており、自室の浴槽でも同じお湯を楽しむことができます。

②青龍:大和の茶の湯

大和の茶の湯は、浴槽横に茶香炉があり茶葉の香りの中で入浴できるので、心と体を清めるとともに、奈良を中心に発展した風呂文化と茶文化に思いを馳せながら楽しみましょう。芳ばしい茶の香りで、気分もすっきりと晴れやかに。

私は1日目の夜は白虎:黒鉛珪石(ブラックシリカ)の湯で癒され、2日目朝は青龍:大和の茶の湯で身を清めて法隆寺に参拝しました。

脱衣所のアメニティもとても充実しており、申し分なしです。ダイソンのドライヤーも置いてあります。

浴堂の入り口では、キンキンに冷えた大和茶を自由に飲めます。緑茶の渋みや苦みが無く、とてもすっきりしているのでお風呂上りに最適です。

旅館にいながら、名店の味を堪能

旅の大きな楽しみのお食事。こちらでは、和食料理の鉄人・神田川俊郎の店として知られる、名店「神田川」監修の料理が頂けます。地産地消を大事にしたこだわりの食材や、名店の技術や職人技を結集した料理と聞き、胸が躍ります。

先付と前菜。どれも素材の味が楽しめ、味のバランスも良く、見た目にも春を感じる彩りでした。特にうぐいす豆腐はグリーンピースの青臭さが一切なく、葛粉を使った食感も丁度良く、これから出される料理に期待が膨らみます。

温物の大和肉鶏の小鍋仕立て。「大和肉鶏」とは、奈良で育てられている地鶏です。生身は赤みが強く、いかにも身が引き締まっています。ひと煮立ちすると、肉のうまみが出汁に溶け出しスープも絶品。皮はあらかじめ軽く炙ってあり、香ばしさがプラスされ味が引き立ちます。

この箸がとても使いやすく、母も絶賛でした。持ち手の方は6角形で握りやすく、先は細く長くそして軽くて丈夫。こういった細部まで追求したこだわりを感じました。

こちらは和朝食。注目していただきたいのが、手前真ん中の「大和の茶粥」です。

ほうじ茶で炊き込んだお粥で、普段食べるお粥よりはさらっとしています。聖武天皇の時代、南都大仏の建立時に、造営をする人たちがこの茶粥を食べていたそうで、1200年以上前から食されてきた歴史のある奈良名物とのこと。奈良では「おかいさん」の愛称で親しまれているそうです。

必ず参加すべし! 唯一無二の語り部プログラム

多彩な文化体験が用意されているのも『和空 法隆寺』の大きな魅力。有料の日替わり文化体験(絵写経、にほひ袋と文香作り、張子鹿の絵付け、大和ポプリ、苔玉作り、提灯絵付け 等)など、多彩なイベントが開催されていますが、私のおすすめは、名物語り部の方々によるお話。

1日目の夕方に開催されたトークショーと、翌朝の法隆寺ツアーが、私のこの旅のハイライト。なんと宿泊者はこの両プログラムに無料で参加できるのです! 専門ガイド並の豊富な知識をもった『和空 法隆寺』の二人のスタッフから、法隆寺に関するお話を伺えます。知識はもちろん、お話の上手さにも驚かされます。

その内容をダイジェストで紹介します。

トークショー「会いに行きたくなる仏像講座」

毎晩17時ごろから45分間こちらのGallery BARにて行われています。私が参加した日は仏像講座ということで、たくさんの仏像たちの前で開催されました。(この仏像のレプリカは購入も可能!)

小人数の参加だったため、参加者の仏教に関する認知度を考慮しての内容でした。一目でわかる仏像の違いや面白い古代史、聖徳太子の真実、知らずに使っている仏教言葉、寺と神社の違いやしきたり等、大変おもしろい内容に前のめりで聞き入りました。

実際に仏像を間近に見たり、些細なことでもすぐに質問ができたりと45分間が本当にあっという間で、終了した後も雑談を交えながら様々なことを教えていただきました。部屋に戻ってからも、客室にある仏教の本を読んだり、母と復習をしあったりと仏教にほとんど興味が無かった私でも、どんどん仏教に興味が涌いてきて、翌日の法隆寺参拝が更に楽しみになりました。

仏像たちのコーナーの反対側には、普段スライドトークショーが開催されているギャラリーがあり、奈良や法隆寺、聖徳太子にまつわる本もたくさん置いてあり、自由に読むこともできます。

名物語り部と巡る「世界遺産法隆寺 再発見ツアー」

翌朝9時から2時間、実際に法隆寺を散策しながら開催されます。こちらも少人数の参加だったため、語り部の方のお話を常に近くで聴くことができ贅沢な時間でした。

東京ドーム4個分の広大な敷地の法隆寺をたっぷりの熱量で、修学旅行生の波を避けて効率よく案内してくださり、ガイドブックでは教えてくれないような裏話や、地元の方ならではのお話まで聴くことができて、大変有意義でした。

修学旅行で一度法隆寺を訪れたことがあった母も、学びなおしができたようです。こちらのツアーは2時間の予定ですが、そのまま法隆寺の散策も可能です。チェックアウトの時間を過ぎても、法隆寺の散策であれば何時間でも荷物を預かっていただける非常に有難いサービスも。まさに法隆寺観光に特化した門前宿です。

世界遺産法隆寺から徒歩30秒の門前宿で、心と身体を整え名物語り部とともに巡る大人の修学旅行。

神社仏閣が好きな方はもちろん、一味違った宿泊体験がしてみたい方も、みなさまぜひ一度、『和空 法隆寺』に宿泊してみてはいかがでしょうか?

私はこれから、仏教や仏像にはまりそうです。

和空 法隆寺
住所/奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺1丁目5-32
電話/0745-70-1155

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#奈良県 #世界遺産 #法隆寺 #お試しステイレポ #旅色LIKES

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熊本在住の私が、大好きな熊本だけでなく九州の魅力を紹介します。最近は着物で旅する「着物旅」にもハマり中。他にも 一人旅、カメラ、ドライブ、食べることも大好き。 もっと知らない世界を見てみたい。 もっといろんな人に会って話してみたい。 もっといろんな食べ物を食べてみたい。 夢は自分の目で肌で耳で舌で世界中を体感すること。

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