
九州の最西端、東シナ海に浮かぶ五島列島。
その北部にある7つの有人島と60あまりの島々から構成される
長崎県新上五島町へ、尾野真千子さんと出かけました。
空と海が溶け合うような青のグラデーションが美しく、
豊かな自然と、貴重な文化遺産に恵まれているこの町は
“釣りの聖地”としても知られています。
「空と海はどこにでもあるけれど、ここは別格」と
尾野さんがこぼすほどの島ステイに出かけませんか?
撮影/齋藤 弦(ACUSYU) ヘアメイク/石邑麻由
スタイリング/関口琴子(ブリュッケ) 文/カマサキココロ(STUDIO346)
車 約7分


船に揺られ、到着した新上五島町。まずは腹ごしらえと訪れたのは、新上五島町発祥にして五島列島を代表する名物・五島うどんが食べられる「竹酔亭」。製麺所直営の五島うどん店とあって、店内は大賑わい。五島うどんは表面に椿油が塗られているため麺がのびにくく、ぐらぐらと湯だった五島うどんを鍋から直接すくって食べる「地獄炊き」が名物。アゴ(飛魚)出汁、または卵醤油につけていただきます。尾野さんは「卵醤油で食べるのは初めて。絶妙!」と箸が止まりません。持ち帰り用のうどんやうどんすくい棒、出汁などを販売する物産館も併設しています。
竹酔亭
住所/新上五島町七目郷56-1
電話/0959-42-0650
時間/月~土曜日10:00~14:00、日・祝日10:00~14:30
定休日/1月1~3日



車 約3分


地元の人々に愛される海水浴場は、額縁に入った絵画かのような遠浅の海。潮の干満や天候によってその青は変わるそうで、いつ訪れても飽きません。昔に比べると数が減ったものの、今でもハマグリがとれるという砂浜には、貝はもちろん、スナガニや鹿の足跡、ハマヒルガオなど動植物とその痕跡がたくさん見られます。沖に目をやると、ぽこぽことした島々に寄せては返す波。手つかずの大自然に体全体が包まれ、「上五島に来たって感じがする」と尾野さん。ひとしきり遊んだあとには「やっぱりハマグリが食べたくなりますね(笑)」と食べるのがお好きな尾野さんらしいチャーミングな感想も飛び出しました。
蛤浜海水浴場
住所/新上五島町七目郷
電話/0959-42-0964(新上五島町観光物産協会)
車 約10分

魚種が豊富で、大物が潜む磯も多いことから“釣りの聖地”といわれている新上五島町。なかでも青方港は、離島としては全国で初めて釣り文化振興モデル港に選ばれた港です。ここでは手ぶらで釣り体験を楽しむことができます。場所は港から船で1分ほどの防波堤。初心者にもやさしい「サビキ」という仕掛けで、釣り好きの尾野さんも場所を見定めて、早速チャレンジ。釣果は、わずか20分ほどの間にベラやカサゴなどを4匹も釣り上げて大喜びでした。手軽にできるのが魅力ですが、沖防波堤へ渡る船は風の影響を受けやすいので事前リサーチは必須。また日除もないので、夏は帽子や水分など準備万端で挑戦しましょう。
上五島町漁業協同組合
住所/新上五島町青方郷1884-43
時間/9:00~17:00(4月~11月まで)
※予約は土・日・祝日を除く2営業日前の16:00まで
料金/中学生以上4,100円、小学生3,800円
(釣竿、仕掛けセット、初回エサ、渡船、救命衣、保険料込み)
電話/0959-42-5005(新上五島町観光物産協会)


車 約14分




北に車を走らせ、到着したのは「矢堅目の塩本舗」が運営する休憩スポット「矢堅目の駅」。周辺は、古くから湾に入る外敵の見張りをする場所で「矢(兵)で堅めた(砦)」という意味から矢堅目と呼ばれ、目の前にそびえる円錐形の奇岩は矢堅目の岩と呼ばれています。見張りをしていた場所というだけあって、海とその奥に広がる山々など新上五島らしい景色を見渡せるのが魅力。さらに店内では、目の前の海から汲み上げて浄水した海水を薪で焚いて精製した「矢堅目の塩」を中心に、海の恵みを存分に感じられる品々が揃います。矢堅目の塩を使った塩ソフトクリームや塩プリンも人気。ほかにも塩づくり体験や椿油搾油体験などもできます。
矢堅目の駅
住所/新上五島町網上郷688-7
電話/0959-53-1007
時間/9:00~17:00
定休日/なし


チョコとのミックスも
車 約13分

段々と陽が落ちてきたら、矢堅目の駅から湾の対岸にまわり、白草公園へ。ここは夕日の絶景スポットとして有名で、たくさんのカメラマンが訪れるほど。季節によって太陽の落ちる位置が変わり、2月と11月は矢堅目の岩と半島の間のちょうどくびれたところへ落ちるさまが特に美しいといわれています。さあ、いよいよ太陽が水平線へ近づき、じんわりとあたり一帯がオレンジ色に。最後に、力強い太陽がぷつんと海の向こうへ沈むと、夜のとばりがゆっくりと降りていきます。この絶景を目に焼きつけて、ホテルへ。
白草公園
住所/新上五島町曽根郷
電話/0959-42-0964(新上五島町観光物産協会)


車 約3分




白草公園からすぐ近くの「五島列島リゾートホテル マルゲリータ」は、国民宿舎だった場所を全面改装して誕生したホテル。部屋数は、島内にある教会の数と同じく29、すべての教会と同じように海を向いたつくりです。そのため、サンライズとサンセット、夜は満天の星を楽しめます。食事もマルゲリータの魅力のひとつ。館内にあるレストラン「空と海の十字路」で、7種の地魚を使用したトマトベースの鍋「カチュッコ」などを堪能した尾野さんは「何気ないひと皿でもびっくりするほどおいしい。何を食べてもおいしくてお酒が進みました」と大満足でした。
電話/0959-55-3100
料金/1泊2食付き2万4,200円~(ツイン2名1室利用時の1名料金)
