[タベサキ Vol.3]
知ればもっと身近な存在に!
寿司と寿司屋の豆知識
全国
2018.12.27
タベサキ
日本を代表する料理、寿司。しかしその歴史は意外と知られていないものです。また寿司屋には難しいルールがあると思い足を運びにくい人も多いのでは? そこで今回は、寿司と寿司屋の豆知識をご紹介。
文:松本俊朔(エフェクト)、イラスト:大崎メグミ
ネタの旬
もっともおいしく食べられるタイミングと捉えている人が多くいますが、実は3 種類に分けられる旬。その違いとそれぞれの特徴を知って、さらにお寿司を楽しみましょう。
①季節的な旬
日本独特の旬で実際のおいしさよりもこれから訪れる旨さに期待するという、文化的習慣が影響しています。初鰹など魚の種類によっては、価格が高騰することもあります。
②旨さの旬
食べた時にもっともおいしく感じる旬です。産卵に備える時期で多くの餌を食べるため脂がのっており、旨みや甘みが充実しています。
③漁獲量の旬
産卵期などで沿岸に近づくため、大量に獲れる旬です。旨さの旬は過ぎていることもありますが、種類によっては同時期に漁獲量の旬を迎えるものもあります。
寿司を注文する順番
基本的には好きな順番で注文して大丈夫ですが、今回はより美味しく食べられる一例をご紹介。まずは味覚が鈍らないようサッパリ系のネタからスタートし、次に赤身などの味の濃いネタを頼み、中盤で脂身の多いネタ、終盤でたまごなどの甘いネタ、締めで軍艦や巻き物を食べるのがオススメ。
1.サッパリ系のネタ ( タイ、コハダ、など)
2.味の濃いネタ (サーモン、カツオ、など)
3.脂身の多いネタ (トロ、ハマチ、など)
4.甘いネタ ( 穴子、たまご、など)
5.軍艦、巻き物 ( ネギトロ、かっぱ巻き、など)
外国寿司と創作寿司
外国寿司
ロサンゼルスで誕生した「カリフォルニアロール」は有名な外国寿司のひとつ。アボカドとキュウリを巻き、ゴマをまぶして作るのが一般的です。「ドラゴンロール」もアメリカ発祥のお寿司で、龍の鱗に見立てて飾られているアボカドが特徴的。
創作寿司
創作寿司は伝統的な寿司に現代風のアレンジを取り入れた料理です。ドーナツ型の酢飯に様々なネタを盛った「寿司ドーナツ」はカラフルでフォトジェニック。自分でお肉を焼いてシャリの上にのせる「焼肉寿司」も注目を集めています。
寿司の歴史
寿司のルーツは、奈良時代にすでに食べられていた「なれずし」と言われています。塩漬けした魚介類を米飯に漬け込み自然発酵させたもので、身分の高い人々が食べる贅沢品でした。その後、江戸時代に現れたのが「早ずし」と呼ばれる酢飯を用いた寿司です。この「早ずし」は、魚の姿形が残る「棒ずし」と、箱などに入れて作る「押しずし・箱ずし」の2つに分かれます。そして「棒ずし」から派生して「巻きずし」が、「押しずし・箱ずし」からは「ちらしずし」や「握りずし」が誕生したと言われています。
寿司屋の業界用語
業界用語を知ってカウンター内の会話に耳を傾ければ、寿司屋をもっと楽しめるはず。
【ガリ】しょうがの甘酢付けのこと。皮を削る時や噛む時にがりがり音が鳴ることから。
【アガリ】お茶のこと。元は花柳界で最後に出されたお茶「上がり花」より。
【ネタ】寿司の具のこと。タネを逆さに読んだ隠語。
【エンソ】従業員の食事のこと。塩噌と書き、塩漬け=お漬物、噌=味噌汁から来ている。
【ギョク】卵のこと。「玉子」の「玉」の音読み。
【ムラサキ】醤油のこと。紫色をしている所から由来する。
【ジンガサ】太巻やちらし寿司に使うシイタケのこと。武士が被る陣笠に似ているところから。
【アニキ・オトウト】アニキは前からあるネタのこと。オトウトは新しく仕入れたネタのこと。
vol.3「寿司をもっと身近に。」
-
知っておきたい注目店 なじめる寿司屋
-
渡部建さんインタビュー
-
うなぎを育む鹿児島の水を巡る旅へ
-
イツモノ ~いつもの地元の味~